心を燃やせ

今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:68,444 hit

No.6 ページ6

「でも、Aちゃん〝無個性〟じゃん」
『無個性なりに、戦い方はあるでしょ。この世界でだって、鍛練すれば〝呼吸〟を使えるようになるはずだよ』

そう、絶対に呼吸は使えるはずなんだ。
個性という〝超常〟が普通の、この世界なら。

『私や皆は強い。力があるなら、人の為に使うべきだろ？』
「…そうか。いいんじゃないか？Aらしくて」

でも、また、昔みたいに無茶をするんだろうな。

頷いてくれた炭治郎がそう続けた。

「それが分かっているのに、放っとけないよ。

だって、俺とAは家族じゃないか」

家は違う。でも、私と同じ血が流れている炭治郎はそう笑った。

「はん、子分の頼みなら聞いてやんのが親分ってもんだろ！」
「そうか、伊之助も一緒に目指してくれるんだな！」

「ｴｯ、待って、俺だけ置いていかれる感じ！？」

ガタンと立ち上がった善逸。

『善逸は、鬼殺隊だって望んで入ったワケじゃないんだもんな。

…だったら、今世でも怖い思いはさせられないよ』

純粋な心配だ。
嫌がることを、無理矢理押し付けるような真似はしたくないもの。

「Aちゃんも何でそういう言い方すんの！？ずっるいなぁ！！」

「Aちゃんが行くなら、俺もヒーロー目指すし！！！」