ひとつぶのオレンのみ (ページ2)

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ある朝。

私が朝ごはんの準備をしていると、ドタドタと階段を駆け下りる音が響いてきた。

「ママ～！！

おれも参加していいだろ！？
オーキド博士の！ポケモンキャンプ！」

サトシが一枚のチラシを持って、真ん中に写るオーキド博士を指差した。

「オーキド博士と一緒に、
野生のポケモンを観察するキャンプなんだって！」

『へぇ、そんなキャンプがあるのね。
いいわよ、申し込んでおいてあげる！』

私がそう言うと、サトシは「わーい！」と喜びながらテーブルの周りでくるくると回った。

『でも、この日はママ、朝から用事があるのよね。

ちゃんと、一人で起きてよ？』

「楽しみ～！」

サトシには、私がそう言うのも聞こえていないみたい。

『聞いてる？サトシ！』
「は～、どんなポケモンに会えるんだろ～！」

念を押しても、「わかった」という返事は聞こえてこなかった。

『もう……』

サトシ一人で行かせるのは心配だし…仲よくしてくれてる、お隣のAちゃんに声をかけてみようかしら。