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第拾弐話 ページ12

「山に登る」

そう言って、淡々と前を歩いていく鱗滝さんを必死に追いかける。

この人、一体何歳なんだろう?
息切れしてしまっている私と違って呼吸も一切乱れていないし、しかも、全く足音がしない。


暫く歩いて行けば、やっと頂上に着いた。…疲れた。

鱗滝さんはくるりと振り向いた。

「ここから山の麓の家まで下りてくること」

「日没までは待たない」

そう言い残して、私の前から消えた。



『…皆、連れて来なくて良かった、かも』

一つ息を吐いて、私は近くの木に手を伸ばす。
勢いを付けて、一気に駆け下りようか。


『せぇ〜のっ!』

振り子の状態から大きく飛び出した私は、考えが浅はかだったことを知る。



『いっ…たっ…』

落とし穴にドサッと落ちた。

しかも結構深い。
勢いを付けたせいで足を捻ったし。

足を引き摺りながら進むと、縄に引っ掛かって転んだ。

やばい。

『このまま罠に掛かってちゃ、日没までに下れない…っ!』

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作者名:亜月少女 | 作者ホームページ:123456  
作成日時:2019年7月28日 16時

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