U－17の選手と5人のお姫様 (ページ1)

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来るは、合宿所ページ1

合宿所の中に入ってみると、高校生と思われる人達がコートを走り、最先端の機器が至る所に置いていて、｢昇格｣｢降格｣などの声が監視カメラ越しに聞こえてくる

人の多さ、しかも全員が男性ということに少しの不安と吐き気を催す

『(早く…早く帰ってきて…みんな＿＿＿)』

柚木と美香は私の飲み物を買いに自動販売機を探しに、木乃葉と蓮花はトイレに行ってまだ戻ってこない

みんなが戻ってくるまで、目立たないように隅で丸まって、顔を上げずに足のつま先を見ている
みんながいないと顔すらもまともに上げられないのが、なんとも恥ずかしく、情けない

その時、このU－17の戦略コーチこと、黒部由紀夫さんがコートに顔を出した

流石に黒部コーチが出てきいるのにこんな場所にいてはいけない。
恐る恐るコートの方へ足を進める

みんなは…まだ帰ってきてない

｢韓国遠征で一軍20名が不在の間、二軍246名の合宿に中学生選抜を55名加えることになりました。
高校生の諸君にとって不服かもしれませんが、近年中学テニスもレベルを上げてきていると聞いています＿＿＿｣

｢諸君っ！！互い切磋琢磨し、U－17日本代表の底上げを目指しましょう！！！｣

やっぱり、高校生にとっては不服なんだ…。そりゃそうだよね。他の人たちはともかく私みたいな＿＿＿＿｢ただし監督から伝言があります＿＿＿｣え？

どこからともなく飛行機のジョット音？いや、プロペラ音？が聞こえてくる。
それがどんどん、どんどん近づき、私達の頭上にやってきた

｢300名は少々多すぎるようですよ｣

そして＿＿＿＿ボールの雨が私達のいるコートに降り注いだ

｢『ボールを250個落とす。』『取れなかった51名は速やかに帰れ』＿＿＿＿と。｣

その一言を合図に皆、走りボールに手を伸ばした

『みんな…！どうしよう…私どうしたら…＿＿＿』

柚木も木乃葉も蓮花も美香もいない…。この場にいるのは私だけ、4人は知らない。

もし取れなかったら…＿＿＿

私はテニスバックを投げ捨て、ボールを落とす飛行機の下へ走る

5個＿＿＿私が取ればいい

私は着ていたカーディガンの端を持ち、ザルのようにボールをキャッチした

私は恐る恐るキャッチしたボールの数を数える

『あ＿＿＿＿』

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ボールは4個しか入っていなかった

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