嘘 ページ3
目が覚めた。一番最初な見たものは白い天井。
あれ…?生きて、る?
指を動かしてみる。痛みはない。
「ここは…どこ?」
私が声を発すると、二人の男が私の近くに現れた。
「目を覚ましたかい?君、自分の名前と年齢言える?」
「…福居A、九歳…」
「記憶には問題ないな」
と二人目の男がいう。
すると、一人の男が部屋に入ってきた。
家族を殺した犯人――――鈴木荘。
あの光景が蘇る。
「いや…いやっ、来ないで!」
一人がしゃがんで、大丈夫だよ、と言った。
「Aちゃん、何も怖がることはないよ。昨日、君の家族が何者かに殺害されたよね?実はそれで…」
「犯人は鈴木荘!荘先生よ!!」
私はベッドから起き上がろうとしたが、機械が邪魔で、思うように動けない。
「ねえ、荘先生…なんで私の家族を殺したの?お父さんと親友だったじゃん…。警察は、悪いことした人を取り締まるのが仕事でしょう!?」
「違うんだよ、Aちゃん。鈴木さんはね、君を助けてくれたんだ」
「…は?」
「君が帰ってきたとき、家族はもう亡くなっていた。それで犯人は君を刺した。それで、連絡がつかない君のお父さん――良平くんの家を訪ねたところ、亡くなった君の家族と、血だらけの君がいた。犯人に腕を刺されながらも、鈴木さんは君を救出したんだ」
鈴木荘の腕には包帯が巻いてある。
犯人は鈴木荘。偽装工作をするために自分で腕を刺したの?
「だから、鈴木さんは君の命の恩人だ」
「違う!」
「いい加減にしないさい!家族を亡くしてショックなのはわかる。だけどね、嘘はついちゃいけないよ」
「でも…っ」
「さあ、言ってごらん。鈴木さんは君の命の恩人だって」
私は目に涙を浮かべ、ベッドのシーツをぎゅっと握りながら言った。
「鈴木さんは…命の、恩人、です…っ」
鈴木は、嗤っていた。
その三日後、私は退院した。身寄りがなかったので、近くの施設に入れられた。
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作者名:唯那 | 作成日時:2017年3月9日 21時