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目が覚めた。一番最初な見たものは白い天井。

あれ…?生きて、る?

指を動かしてみる。痛みはない。

「ここは…どこ?」

私が声を発すると、二人の男が私の近くに現れた。

「目を覚ましたかい?君、自分の名前と年齢言える?」
「…福居A、九歳…」
「記憶には問題ないな」

と二人目の男がいう。

すると、一人の男が部屋に入ってきた。

家族を殺した犯人――――鈴木荘。

あの光景が蘇る。

「いや…いやっ、来ないで!」

一人がしゃがんで、大丈夫だよ、と言った。

「Aちゃん、何も怖がることはないよ。昨日、君の家族が何者かに殺害されたよね?実はそれで…」
「犯人は鈴木荘!荘先生よ!!」

私はベッドから起き上がろうとしたが、機械が邪魔で、思うように動けない。

「ねえ、荘先生…なんで私の家族を殺したの?お父さんと親友だったじゃん…。警察は、悪いことした人を取り締まるのが仕事でしょう!?」
「違うんだよ、Aちゃん。鈴木さんはね、君を助けてくれたんだ」
「…は?」

「君が帰ってきたとき、家族はもう亡くなっていた。それで犯人は君を刺した。それで、連絡がつかない君のお父さん――良平くんの家を訪ねたところ、亡くなった君の家族と、血だらけの君がいた。犯人に腕を刺されながらも、鈴木さんは君を救出したんだ」

鈴木荘の腕には包帯が巻いてある。

犯人は鈴木荘。偽装工作をするために自分で腕を刺したの?

「だから、鈴木さんは君の命の恩人だ」
「違う!」
「いい加減にしないさい!家族を亡くしてショックなのはわかる。だけどね、嘘はついちゃいけないよ」
「でも…っ」

「さあ、言ってごらん。鈴木さんは君の命の恩人だって」

私は目に涙を浮かべ、ベッドのシーツをぎゅっと握りながら言った。

「鈴木さんは…命の、恩人、です…っ」

鈴木は、嗤っていた。

その三日後、私は退院した。身寄りがなかったので、近くの施設に入れられた。

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作者名:唯那 | 作成日時:2017年3月9日 21時

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