四畳半トリップ~《アズカバンの囚人》起~【ハリー･ポッター】 (ページ18)

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コンパートメントは最後尾の1つを除いていっぱいだった。私達は原作通り、いや順当にそこへ座ることになった。

「この人、誰だと思う？」とロンは最後尾のコンパートメントの扉を開けて、窓から一番遠い席を陣取った。

そうして扉を閉め、腰を落ち着けさせながらルーピン先生をいかにも怪しげな目で見つめている。

あちこち継ぎのあたったかなりみすぼらしいローブに疲れ果てて、病んでいるようにも見えないこともない。

『リーマス･ルーピン先生』

そう言うと三人は目を丸くして私を見つめた。

ロ「どうして知ってるんだ？」

『休暇中にね、少し話をしたんだ』と私はことなげに逃げ出そうとするフェレットを両手で捕まえた。

ルーピン先生の青白い横顔を見て顔をしかめながら、「いったい、何を教えるんだろ？」と、ロンが言う。

ハー「決まっているじゃない。空いているのは一つしかないわ────闇の魔術に対する防衛術よ」

闇の魔法に対する防衛術の授業は二人の先生から受けていたが、その二人とも、一年しか持たなかった。

その学科は、呪われているという噂が広まっていることは、読者の皆様も知っていることだろう。

ロ「まあ、この人がちゃんと教えられるならいいけどね」

ロンの曖昧な口調にさっぱりとした小さな笑い声を出しながら、私はルーピン先生の横顔をじっと見た。

ロンはハリーのほうを向く。

ロ「さっきは、何の話だったんだい？」

ハリーは思い出したようにゆっくりと話し出した。

ロ「───ってことは、ブラックは君達を狙っているのか！」

ロンはしばらくの間愕然とし、ハーマイオニーは口を両手で覆い、およそ信じるに得ないといった顔をしていた。

「そうみたい」と言ったハリーは二人の強い反応を示したことに内心驚いているようにも見える。

ハー「その私、ずっと聞いてみたかったんだけど……A、あなたはブラック家でしょう？だから、その……」

『回りくどいな』

さっぱりとした笑みを浮かべて、ルーピン先生からハーマイオニーの方に視線を移す。

『つまり君は私とシリウス・ブラックの関係を知りたいって訳だ』

私の余裕っぷりに疑問を感じたのか、安心したのか露知らず。彼女は前よりも強い言葉で「そうよ」と言い放った。

ハー「私、期待していたわ。あなたが漏れ鍋に泊まった時、そのことについて教えてくれると思ったのよ」

「だって、私たち友達でしょう」と彼女は視線を下ろして、腕を組んだ。