四畳半トリップ~《秘密の部屋》結~【ハリー･ポッター】 (ページ7)

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時ならぬ歓呼の声が、打ち上げ花火のように、大波のような勢いで起こる。

歓声が空中をこだましながら揺れ動いて耳に届いた。

ロンは、ここしばらく見せたことがなかったような、嬉しそうな顔をして私とハリーの顔をのぞきこんだ。

ロ「目を覚ましたらハーマイオニーがきっと解決へと導いてくれる。でもね、あと三日で試験がはじまるって聞いたら、きっとあいつ気が狂うぜ」

そのとき、ジニー・ウィーズリーがやって来てロンの隣に座った。

私はドキリと体をはねて、赤い炎のように真っ赤な髪の毛からジニーの瞳を探るように覗き込む。

緊張していて落ち着かない様子で、膝の上で手をもじもじさせている。

私はこの仕草を知っていた。

前の世界でもよく知っていた仕草。

「どうした？」と、ロンがオートミールのお替わりをしながら言った。

それでもジニーは黙っている。

グリフィンドールのテーブルを端から端まで眺めながら、脅えた表情をしていた。

「言っちまえよ」とロンはジニーを見つめながら言う。

私は胃が掴まれているような居心地の悪さを感じながら、目を注いでいた。

ジニーのその仕草は、言ってはいけないことを漏らそうかどうか、ためらっているときのお母さんとよく似ていた。

だから知っていた。

彼女は今、重大なことを話出そうと決心しているんだ。

「わたし、言わなければいけないことがあるの」と、ジニーは私とハリーの方を見ないようにしながら呟くように言った。

ハ「なに？」

ジニーは、なんと言って良いのか言葉が見つからない様子で、口を開いたり閉じたりを繰り返している。

『ねえ大丈夫、ジニー？』と私は少し前屈みになって、ハリーとロンとジニーだけに聞こえるような小声で言った。

『秘密の部屋に関することなの？何か見たの？』

ジニーは深呼吸をする。

その瞬間、間の悪いことに、パーシー・ウィーズリーが疲れきった顔で現われた。

パー「ジニー、食べ終わったのなら、僕がその席に座るよ、腹ペコだ。巡回見廻りが、いま終わったばかりなんだ」

椅子に電流が走ったかのように飛び上がったジニーは、パーシーの方を脅えた目でチラッと見るなり、逃げるように立ち去ってしまった。

パーシーは腰を下ろし、テーブルの真ん中にあったマグカップを掴む。

ロ「パーシー！ジニーが、何か大切なことを話そうとしたところだったのに！」

そういうロンの怒り声を聴きながら、私はジニーの後ろ姿を見つめていた。