１４ ページ14
いかがわしい横丁。闇の魔術に関する物しか売っていないような店が軒を連ねていた。
''ボージン・アンド・バークス''が一番大きな店のようで、その向かい側の店のショーウィンドウには、気味の悪い、縮んだ生首が飾られている。
みすぼらしい身なりの魔法使いが二人、店の入口の薄暗がりの中から私達をじっと見て、互いに何やらぼそぼそ話していた。
その仕草、行動にゾクッと背筋が凍る思いをした私とハリーは、足早に藁にもすがる思いで歩き続けていた。
ハ「君、予見者なんでしょ？」
『おいおい、そんな便利なもんじゃないんだぞ』
ハ「君がここに来たのも、予見で見たからなんでしょ……だったら、出口ぐらい」
『知らないもんは知らないんだってば』と私は、困ったように頭を掻いて、暗がりから私達の様子を伺う魔法使いを一睨みする。
ハ「でも、何か情報ぐらい」
『あー』と私は空虚な言葉を漏らした。
『知らんこともない』
そんな言葉にハリーは自然と足を止めて、希望に満ちた目で淡い緑の瞳を私の方に向ける。
『ここが''夜の闇横丁''ってことは知ってる』
ハ「夜の……闇横丁？なんの助けにもならないよ」
落胆したハリーは、また頭を抱えて歩きだし、私はのんびりとした声で『だから言ったろ？』と肩を竦めてついて行く。
『予見の当たりは、約三割』
ハ「まあまあ、低いじゃないか」
ハリーは、壊れた眼鏡を押さえて、ムスッとした顔で追われる者のように、真っ直ぐに前を向いたままずんずん足を急がせる。
『おいおい、野球だと結構凄い方なんだぞ』
私は腕を組んで、ハリーに向けて口をへの字に結んだ。
？「二人とも、こんな所で何をしとるんだ？」
私とハリーは、希望に胸を躍らせる。ハグリッドが、ごわごわした巨大なヒゲの中から、コガネムシのような真っ黒な目を輝かせて、二人のほうに大股で近づいて来るところであった。
『ああ、良かった、ハグリッド！───やっぱり！』
ハリー「あの、僕らは……」
説明するより先に、ハグリッドは私とハリーの背中をずんずんと押し、私達は歩き始めることになる。
「ひどい格好をしとるな！」と、ハグリッドはぶっきらぼうにそう言うと、ハリーの煤を払った。
あまりの力で払うので、ハリーはもう少しのところで、薬問屋の前にあるドラゴンの糞の樽の中に突っ込むところであった。
ハグ「夜の闇横丁なんぞ……誰かに見られたら……」
ハグリッドがまだ煤を払おうするので、ハリーは、身を捩ってかわす。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナタデココ(プロフ) - 確か最後にクィリナスが登場してたような気がするんですけど……… (2023年2月13日 1時) (
レス) id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - あの！今ある場面を探してて上級生の女の子達にロックハートがどうちゃらこうちゃらで絡まれててセブルス登場して口論になる場面ってありませんでしたっけ？あるなら何話か教えてください🙏。この作品じゃなかったらどの作品が教えてくれませんかね？……… (2023年2月13日 1時) (レス) id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - セブ推しさん» 嬉しいです！頑張っていきます！ (2022年4月7日 7時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し - めちゃくちゃ面白いです！！ずっとキュンキュンさせてもらっています！これからも頑張って下さい！ (2022年4月3日 21時) (レス) id: 812d6fc9b4 (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年3月27日 16時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白眉 | 作成日時：2022年3月5日 13時
