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数秒後、キャビネットの扉は突然と開き、その中には煤だらけのハリーがキャビネットから出てきた。
彼は不満げに私の口を手で制して、スタスタと出口の方に歩いていく。
『あ、ハリー』と決まりが悪い声を出すと、ハリーは振り返って、強く私が喋ることを止めた。
ハ「いい！分かってる────ただ、その……失敗したんだ！煙突飛行粉に！」
これ以上の追求は断固として断る、という言葉がハリーの顔に書かれてあり、私は『あー……』と呟いて、出来るだけ口を閉じる。
ハリーがショーケースの脇を通り抜け、店の外へと出る。私は、その煤を振りまく、ハリーの後ろを気まずそうについて行くばかりだ。
いかがわしい横丁で煤を振りまく彼と気まずそうな私を訝しげな者達が不審に見ている。
『あ、ああ、えっと─────落ち着けよ、ハリー』
ハ「何？落ち着けよって……落ち着いてる、大丈夫、A」
ハリーは早い言葉で捲し立て、私の方を振り向き、壊れた眼鏡を鼻の上で辛うじて押さえていた。
そうして私のことを何度か見た後に「あああぁぁ！───」と、慎重な彼が声をあげる。
その後に気まずそうに両手で顔を覆い、細い指と指の隙間から私の方を伺う。その瞳にはバツの悪そうな感情が明確に宿っていた。
ハ「その、ごめん……そんなつもりじゃなくて、あ、ああ、こんな時に会いたくなかった────だって、こんな」
そういった彼は、煤だらけの自分の体に目をやって、腕を組んで、思案するような仕草をする。
『こんな……煤だらけ？』
ハ「そう、それ───君なら、笑うって思ったから……だって、飛行煙突粉を失敗して、こんなところに来て、その上、煤だらけって」
止めどなく澱みなくハリーは言葉を出し、チラチラと私を何度か見る行動に私は、不意に笑いが込み上げた。
ほら、とでも言わんばかりなハリーの顔に私は顔を横に振って、飄々とした笑みを浮かべる。
『違う違う、そうじゃない。笑うわけないだろ？君が気にしてることを────バッカにしてくれちゃってさ』
私は煤で少し黒くなった辛うじて白のハンカチをハリーに渡して、得意げな顔をした。
ハ「……ありがとう」
ハリーは、白いハンカチを受け取って、顔を拭き、服の煤を払って、私にハンカチを返す。
『意外？』
ハ「まあ、少し────思ってたよりも」
『言ってくれるよ』と私は肘でハリーを軽くつついて、またハリーと共にこのいかがわしい横丁を抜け出す道を見つける為に歩く。
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ナタデココ(プロフ) - 確か最後にクィリナスが登場してたような気がするんですけど……… (2023年2月13日 1時) (
レス) id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - あの！今ある場面を探してて上級生の女の子達にロックハートがどうちゃらこうちゃらで絡まれててセブルス登場して口論になる場面ってありませんでしたっけ？あるなら何話か教えてください🙏。この作品じゃなかったらどの作品が教えてくれませんかね？……… (2023年2月13日 1時) (レス) id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - セブ推しさん» 嬉しいです！頑張っていきます！ (2022年4月7日 7時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し - めちゃくちゃ面白いです！！ずっとキュンキュンさせてもらっています！これからも頑張って下さい！ (2022年4月3日 21時) (レス) id: 812d6fc9b4 (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年3月27日 16時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白眉 | 作成日時：2022年3月5日 13時
