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「それにしても……」と彼は呟く。
ス「ブラック家のくせになぜ、スリザリン寮ではない？」
その言葉が空気を凍てつかせて、私はごくりと唾を飲み込む羽目になった。
探るような教授の目。そして疑念に隠された嫌悪の声。流石だ。流石、私が心から愛しているスネイプ教授。
しかし私の秘密をバラすわけにはいかない。これはダンブルドアと私だけの公然なる秘密。
『そんなにスリザリンに来て欲しかったのですか？』
私は照れ笑いという胡散臭い演技をしながら、この場を乗り切ろうと思ったのだが、それは全て教授にとって怒りの対象だったらしい。
今にでも殺されそうな殺気は、初めて向けられた。
ス「生意気な口を聞くのは大概にしろ」
低く猛犬のように唸る声。これは私の母よりも怖い人だと私は判断した。
「何を考えている」と小さく漏らされた言葉は、向けられた目は明らかに苦々しいものを持っていた。
『何も考えてません』
ス「我輩の前で嘘をつくな。ブラック家の者は、何かを企んでいるくせに、何も企んでいない顔をする」
『それは本当に何も考えてないだけですよ』
私の言葉は空虚な響きを放ち、教授の手が私の首に深く食い込ませる行為によって私は言葉を詰まらせた。
ス「もう一度聞こう。何を企んでいるんだ」
誇らしげに見下されるその目に私は、口の端を上げて意味ありげな微笑をうかべた。
手を首に食い込ませることで脅しているんだろう。そうはいかない。見た目は11歳に見えても、こっちは17歳なんだ。
『なんにも企んでいません。ついでに夢も希望もありませんよ』
「貴様は本当に何者なんだ」と僅かにたじろいだ教授の手を押し付ける力は少々弱まる。
私はそれを見逃すことなく、するりと教授の拘束から抜け出して、数歩下がりスネイプ教授の方のことを見た。
『まだ私と話したいですか？スネイプ教授』
私は、にこやかに満面の笑みを浮かべてみせると、教授は頭を抱え杖を下ろした。
ス「────もういい、行け」
『うわ、悲しいなあ』
今日のところは見逃そうと言いたげな高尚な顔は、怪訝そうに眉が顰められた。
ス「……くだらない冗談は程々にしたまえ」
『冗談じゃなかったらどうします？』と揶揄う調子で言う。
それで苦虫を噛み潰したような顔になる彼は、心底私を毛嫌いしていた。
そうして教授の返答すら待たずに私は東塔の自室へと勝手ながらに向かった。
「変な奴だ」と呟かれた言葉をAが知る由もない。
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白眉(プロフ) - いさん» そう言ってもらえると嬉しいです！ 最新話で待ってます！ (2022年5月11日 19時) (
レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
い - コメ失礼します…作者さん文才ありすぎでは…？？？？凄くなんかあの、とにかく文の構成とか語彙の使い方がすごく好きです！！頑張ってください応援してます！！続き読んできます！！！ (2022年5月9日 14時) (レス) @page5 id: 195510f68a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます！挫折しないように心を強く持って制作に試みたいと思います！ (2022年3月2日 9時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。おにきり食べたいさんから、紹介されてお邪魔しに来ました。私も個人的にハリポタの夢小説を投稿している身なので、ハリポタのシリーズは長くて途中で、挫折してしまうこともあると、思います。余計なお世話かもしれませんが、陰ながら応援しています。 (2022年2月28日 14時) (レス) id: df12d0aab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：T | 作成日時：2022年2月4日 23時
