四畳半トリップ〜《賢者の石》･起〜【ハリー･ポッター】

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『え、買い物！ 私、まだ寝ていたいのに』

ダ「そうは言っても、これから始まる新学期に合わせて早く買い物に行って、道具を揃わせるのが良かろう？」

『いや、確かに』と、私は渋々声を出して、目を瞑ってふと考えた。

『待って！ 私、再びキャッキャウフフの青春生活を繰り返すことが出来る？ 永劫回帰？』

ダ「そうじゃ、だから君には早く買い物に行ってもらいたいのだよ」

ダンブルドアは、少なからず私をあしらう方法を学んできたようで、上手くそこはかとなく私を買い物に行かせる気にした。

『でも、行くにしたって、誰と行けばいいんですか？ もしかして、一人で行けって言わないですよね？』

するとダンブルドアは、また柔和な笑みを浮かべて、懐から一種の手紙と言えるものを私に見せた。


''ダンブルドア様''
ハリーに手紙を渡しました。
明日は入学に必要なものを買いに連れて行きます。
　ひどい天気です。お元気で。
　ハグリッドより

私は言葉を何度も読み込んで、これを私に見せた意味を再び頭の中で考えた。

ダ「これが届いたのは今日の朝、これが書かれたのは昨日の夜。ということは、この二人は今日買い物に行っているということになるのう」

『ええ、そうです。そうなりますとも……え、待って、それじゃ、私、ハリーとハグリッドと一緒に買い物できる？』

私がハグリッドとハリーと一緒に買い物？え、凄い。私すごい。前世どんな徳を積んだらこんなことが起こるの？

私は胸に手を当てたまま、この鼓動の下に、流れる暖かな血潮を想像した。そしてこの世界で生きることを許された私は、前世どれだけの善人であったかを想像せざるを負えない。

ダ「故に、私は君をダイアゴン横丁まで送ろうと思うのじゃ。十分後にまた来る。それまでにそこに置かれている服に着替えて、支度をしておくのじゃ」

ダンブルドアは、いきなりそんなことを行って、医務室を足早に去っていく。

『10分？10分ってあまりにも少なすぎじゃない？』



〇


ダンブルドアは、自分が言った時間より少し遅くやってきた。

そうして、準備が整っている私を見て、意外だという目を私に向けてきた。

『自分で時間を指定したのに、遅く来るってちょっと悲しいじゃないですか』

「少し色々あってのう」と、ダンブルドアは支度をし終わった私の手を取って、朗らかな笑みを見せる

ダ「A、君は姿くらましをご存知か？」

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