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これは私のお話ではなく、あの人達のお話だが、物語ではなく、真実を語る。
世知辛い世間において、人々は物語に一喜一憂をし過ごしていることは言うまでもない。
これは、彼らと私が過ごして行った日々の記録であり、ありとあらゆる感情に揉まれながらも前へ進んだ私たちの真実である。
真実を読もうと思っている読者は、私と彼らの生き様をぜひ吟味し、その深淵の中にある心を読み取っていただきたいものだと思う。
彼らの思いと真実が望らくはいい方面に向かうことを願ってやまない。
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七月中旬、暑い昼下がりのことである。
私は、暑苦しい布団の中でもがいていた。
恥を忍んで開け放たれた窓、忙しく鳴る蝉の声。
『またか、やっちまったなあ───でも私、なんにも悪くないよね』
じりじりと灼熱地獄と化す自室の中で、熱中症さえ危ぶまれる状況の中、私は自らを納得させるようなことばかりを思い浮かべた。
第一に私がこんな遅く起きたのは、全て本のせいであり、またこんな暑苦しい中で寝なければならなかったのは、このボロな家のせいである。
この家の前を行き交う行人がやきもきをするようなこの家のボロさは、外観に留まることを知らず、内部まで行き渡る。
床暖房のない家に加えて、リモコンが壊れてしまえば使えないエアコンに、日照権がとことん守られていない場所。
そして、そんな中で「ハリーポッター」という本にハマった私。
もう昼下がり。薄暗い愛しの自室の真ん中で、カチカチと動く針を気だるげに見つめる。
『もう、正午過ぎ。そして今日は、登校日────もうここまで来たら、''アレ''を使うしかない』
「駄目です。起きたなら、さっさと学校に行きなさい」
部屋の入口から聞こえる声に耳を傾けて、それでも瞬時にアレを使うと判断した体は、胡散臭く咳を二つした。
『あ、頭が痛いかも』
「嘘おっしゃい、こんな暑い日に布団を頭まで被るからでしょう」
ガタガタと地鳴らしをして近づく母は、剣呑とした目で私の布団を引っ張る。
『ちょ、ちょっと、やめろよ！ 病人にする対応じゃない！』
「誰が病人よ、随分元気そうじゃない！」
私は布団に抱きつきながら、机の上に置いてあった偽物の杖を手に取って、気性の荒い母に向ける。
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革ベルト
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あずきいろ
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白眉(プロフ) - いさん» そう言ってもらえると嬉しいです！ 最新話で待ってます！ (2022年5月11日 19時) (
レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
い - コメ失礼します…作者さん文才ありすぎでは…？？？？凄くなんかあの、とにかく文の構成とか語彙の使い方がすごく好きです！！頑張ってください応援してます！！続き読んできます！！！ (2022年5月9日 14時) (レス) @page5 id: 195510f68a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます！挫折しないように心を強く持って制作に試みたいと思います！ (2022年3月2日 9時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。おにきり食べたいさんから、紹介されてお邪魔しに来ました。私も個人的にハリポタの夢小説を投稿している身なので、ハリポタのシリーズは長くて途中で、挫折してしまうこともあると、思います。余計なお世話かもしれませんが、陰ながら応援しています。 (2022年2月28日 14時) (レス) id: df12d0aab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：T | 作成日時：2022年2月4日 23時
