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手記肆拾弐頁目 ページ44

Aside


「ん……、今は何時頃だ……?」





お兄様が寝ている間、文机で母に頼んで自室から持ってきてもらったお気に入りの書物を暫く嗜んでいたが眠気が収まりきっていない声を耳にして書物を見る目はそのままにそっと呟きに返答する。



『お兄様、きっともう日が傾き始める頃ですよ。』





お兄様は、長い間床の上で寝転んで固まった関節をばきばきと鳴らしながらそう告げる。
ちら、と目線を一瞬戸に向けると鍵は掛かっていない戸の下の隙間から入り込んでくる光は温かみを持った橙色をしていた。





「それは本当か!?……あまりにも怠け過ぎたな。」





布団が舞う音を立てて飛び起きたお兄様は、どこか困ったように笑って丁寧に布団を畳んで戻しておいてくれた。





「俺が寝ている間に戸の外へは出たか?」





突然の静かな淡々とした声に驚いて読んでいた頁を押さえていた手が離れてぱらぱらぱら、と音を立ててその分厚い書物は表紙へと戻ってしまった。





『いいえ。』





私が嘘偽りなくそう答えると、背中越しでもお兄様がほっと息をついたのが分かった。





確かに、私はこの部屋から出る好機があったのに何故か行動しなかった。最初は扉に幾晩も縋り付いてまで出たかった筈なのに。





『(この状況に慣れてしまっていたのかな……。)』





この閉鎖的な、厳しい制限がある暮らしにいつの間にか慣れてしまっていたのに気付き、心の中で大きな溜息をついた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 猗窩座 , 狛治   
作品ジャンル:恋愛
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
- 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:主人公 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年11月9日 21時

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