手記弐拾玖頁目 ページ31
『嫌です！私は狛治さんを心からお慕い申しております！関わるな等受け入れられませんし、見合いなんか受けません！』
そんな私の言葉に父は、肩を震わせ激昴した。
｢彼奴は罪人なんだぞ！！｣
そう叫んだ父は、息を荒くしている。
『罪、人……？狛治さんが……？』
衝撃の事実に、開いた口が塞がらない。
｢お前は見たことが無いのか？彼奴の腕に入れ墨があるのを！｣
そう父に言われて、最初に狛治さんと会ったあの日を思い出す。
腕に不思議な模様があるな、と見ていた私の目線の先に気付いた狛治さんは悲しそうに腕を隠して目を背けていた。
それからも、腕を見せるのは狛治さんは好んでいなかった。
もし、父が言っている事が本当だとすれば狛治さんは何故私に言ってくれなかったのだろうか。
狛治さんが罪人だったと知って、幻滅ではなく相談してくれなかった狛治さんに怒りと頼られなかった事に対して悔しさを感じた。
｢その様子だと知らなかった様だな。どうだ？幻滅しただろう。罪人を愛してしまったのは家の恥だが、今考えを改めれば許してやろう。｣
父はそう言って、私を抱き締めようと腕を広げて此方へ来たがその腕を振り払った。
『幻滅などする訳ありません！狛治さんにはきっと訳があるのです！私は、彼を受け入れます！』
父はわなわなと震え、私に冷めた目線を向けた。
｢そうか、ならばいい。お前は屋敷の敷地外に出るのを嫁ぐまで禁ずる。見合い相手ももう話がついている。もう、下がれ。｣
『父上！嫌です！私は……！』
反論しようと父に掴みかかると、突然現れた母と兄に抑えられて私の部屋ではなく、扉に鍵のついた布団と文机しかない窓もない部屋へと無理矢理連れて行かれた。
母と兄は私を布団に座らせると、二人とも泣きそうな顔で此方を見ていた。
｢あなたは稽古に戻っていなさい。母とA、二人で話す事があります。｣
母は、そう兄に告げると兄は名残惜しそうに此方を見つめていたが返事をして部屋から出ていった。
兄が出ていった瞬間、母に力強く抱き締められる。
｢ああ、可愛い私の娘、A。本当にごめんなさい。｣
母の声は泣いているのか酷くか細く、震えていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
注※これより先Aの家族について大分原作より捏造入ります。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 285人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます！私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (
レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里（はっ？）なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します！ (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして！この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです！！！はくじさんと早く会えますように（ ; ; ）最後どうなるのか気になります！！ (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです！更新頑張って下さい！ (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
