手記弐拾捌頁目 ページ30
狛治さんと別れた後、屋敷の玄関の戸を開ける。
板間にお兄様が立っていて、その表情は険しくもあり、悲しげだった。
「父上がお前を呼んでいる。」
そう一言だけ告げたお兄様は私を悲しげに見たあと、稽古に戻りに行った。
一度自室に戻り、荷物を置いてから父の部屋の襖の前に座る。
『父上、Aです。』
この襖の奥に居るだろう父にそう声を掛ける。
「入りなさい。」
襖を開けて閉め、襖の近くで腰を下ろした。
『私に何用でしょうか。』
部屋の奥で鎮座する父にそう問いかけると、父は真っ直ぐと此方を見て言った。
「今まで目を瞑ってきたが、隣の道場の者と関わるのをやめろ。」
そう強く父は私に怒鳴った。
『何故ですか!私にとってあの方々はかけがえの無い存在です!』
私も、父に強くそう言い返す。だが、父は揺るがない。
「まだあの娘とだけ関わっているだけなら良かったが、最近現れたあの男と仲睦まじくしているそうじゃないか。」
『狛治さんの事でしょうか?』
父は、一瞬目を見開いて頷く。
「まさか噂に聞いてはいたが、名前を呼ぶまで仲が良くなっているとは……。」
父は静かにそう呟いた。
「彼奴と関わるのは金輪際許さない。見合いをするぞ。」
父は、私にそう告げた。
狛治さんと会えない上に見合いを受ける?
今日、狛治さんと心が通いあったばかりなのに!
どんどん感情が身体の内からふつふつと激化していくのが分かった。
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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