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side 黄
数日後、学校から連絡をもらって、
亮平と２人で、テストを返してもらいに来た。
今回、テストが終わった日は、
やっぱり体調を崩してしまったけれど。
次の日には、もうすっかり回復していて。
念のため、病院にも連れて行ったけど、
『大丈夫そうだね』って言ってもらえた。
まだ、学校に行くときは、緊張しているし、
俺の腕をつかんで離さないけれど。
少しずつ、亮平なりのペースで、
学校に慣れていっているんだとも思えた。
今日も、いつもどおり保健室に行って、
そこでテストや配布資料を受け取ったんだけど。
亮平の成績に、本人が一番びっくりしていて、
先生方にもすごく褒めてもらっていた。
コンコン
そろそろ帰ろうかと思った頃、
突然、保健室のドアがノックされて。
驚いた亮平は、俺の腕にしがみつく。
ガラッとドアが開いて、生徒が入ってくると、
亮平は、俺の後ろに隠れてしまった。
保健室の先生は、入ってきた、
体調が悪くなった子の対応をしていて。
その間に、俺たちは帰ることにした。
しがみつく亮平を引きずるようにしながら、
保健室を出ようとすると。
阿部「あれ？」
亮平が小さく声を上げた。
岩本「なに？」
聞き返したけど、首を横に振るので、
そのまま、亮平を連れて、車に戻る。
阿部「さっきの子、見たことある」
車が走り始めると、亮平がつぶやいた。
岩本「さっきの子って保健室の？」
阿部「うん、前のテストのとき、
同じ教室にいた気がする」
前のテストのときに亮平が行った教室は、
いずれ、亮平が授業を受けることになる教室。
俺と一緒に案内してもらったときも、
机と椅子が４組しかなかったけど。
本来のクラスに入れない子だけを集めた、
少人数のクラスなんだって。
そこにいたってことは、あの子も、
何か事情がある子なんだろう。
岩本「そっか、何か話したの？」
阿部「ううん、全然。
テストで精一杯だったし」
友達になれたらいいなと思ったけど、
亮平がそう思っているかは分からないし。
岩本「それより、テストすごかったじゃん。
帰ったら、またみんな褒めてくれるよ」
深くは突っ込まずに、話をそらして帰った。
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作者名：アクモ | 作成日時：2023年2月1日 20時
