【７月 �◆� ページ25
side 紫
阿部「ごちそうさまでした。
じゃあ、勉強してきます」
ラウ「あ、俺も勉強しなきゃ。
ごちそうさま！」
我が家では、阿部ちゃんとラウールが、
絶賛、テスト期間中。
阿部ちゃんは、この間もテストだったのに、
またテスト？って思うけど。
本人が楽しんで勉強しているから、
俺たちは周りで応援するだけ。
一方、ラウールは大学生になって初めてのテストだし、
さすがに、勉強に集中してもらっているんだけど。
まぁ、大学生なんて、少々単位を落としたところで、
すぐに卒業できなくなるわけじゃないし。
ラウールも勉強は好きな方みたいだから、
体調を崩さない程度に頑張れって見守っている。
阿部ちゃんは、前回のテストの後で
ひどく体調を崩してしまったから。
今回はそうならないように、阿部ちゃんと、
照と学校とで話し合いの場を設けてもらった。
前回は、テストのために無理やり学校に行って、
初めて行く教室で、知らない子がいて。
なかなか辛い環境だったんだと思う。
最近、やっと保健室に少しだけ行けるようになって、
それでも、照から離れられない状況だし。
できれば、テストも保健室で受けられたらって、
阿部ちゃんと照はお願いしたみたい。
阿部「でもね、保健室は、無理なんだって。
具合悪くなった子が来るかもしれないから」
そう言う阿部ちゃんは、残念そうな顔ではないから、
なにかいい方法を考えてもらったんだろうな。
阿部「だから、相談室でなら、テスト受けていいよって。
ひーくんも、同じ部屋にいてもいいって！」
ニコニコと報告してくれる阿部ちゃん。
深澤「ホントに？」
照を見ても、頷いているから本当みたい。
深澤「良かったじゃん！」
阿部「うん！じゃあ、勉強してくるね」
部屋に戻る阿部ちゃんの後ろ姿を見ながら、
照が小さくため息をついた。
深澤「どうした？」
岩本「いや、終わった後の心配してた。
この前みたいなのは、もう見たくないし」
俺だって、阿部ちゃんの心配をしすぎて、
倒れそうな照なんて、もう見たくないな。
深澤「この間とは、阿部ちゃんの顔も違うし、
俺は、大丈夫だと思うけどな」
まあ、終わってみないと分からないんだけどね。
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作者名：アクモ | 作成日時：2023年2月1日 20時
