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温泉は日頃の疲れをとるためにあるそうだ。ならば今の私にピッタリだよとAは思う。
夜中に突然の温泉招待。筋肉ゴリラによる無慈悲な玄関扉破壊。混浴風呂へのお嫁さん方の謎理論。
『あれ待って、殆どど派手くんが原因では?』
言うと、何処からかあんらぁ〜と低い声が聞こえた。
「あら、あなたかわいいわね。私は美和子。占いの仕事をしているのよ」
『うんちょっと待とうか』←日頃の疲れで目がいつも通り死んでる人
此処は女風呂であり決して混浴風呂ではない筈。ではここで問題をだそうか。
『君は男の人ですよね』
「あら、心は女よ。‥‥見た目も女になれたら良かったんだけどね」
美和子は目を伏せる。確かに見た目は美男性という感じではあるが本人はそれがあまり好きではなさそうな感じであった。
『なるほど。じゃあ入っている間、雑談でもしましょうか。ああ、あと、挨拶おくれましたが私はAと申しますよろしく』
Aが淡々とした口調で言うと、美和子は目をパチクリさせてAを見る。
「‥‥‥拒絶しないのね」
『心が女性なら私は女性として接す、ただそれだけだよ。それに旅であれこれ聞くのは野暮ですので』
美和子は驚愕させてAの目を見ていたが、暫くしてくすりと微笑んだ。
「‥‥ありがとう」
嗚呼ここ飲み物もあるんですね、とAがケースに入っていた林檎のノンアルコールのお酒を取り出す。
『貴方は何か飲みますか』
ついでに取りますよ、とAが言う。そうね、と美和子が呟く。
「じゃあ貴方と同じもの」
はい、とAが自分と同じノンアルコールお酒を手渡す。ここにはお猪口もあるようだ。
「そういえばさっき私、占い師って言ったじゃない?」
『嗚呼、そういえば言ってみましたね』
酒を一口煽ってAが言う。林檎酒が口の中で甘く滲むように広がる。
多分上質な林檎が使われているのだろう、優しい口溶けにほうっと、吐息を漏らす。
「だからあなたの事、占ってあげる。勿論旅にあれこれ言うのは野暮だから、タダで」
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ひいらぎ・いろ - 小冬さん» ありがとうございます、いつも小説を書く度に面白いか凄い不安になって、、そう言ってもらえて凄く凄く励まされます!これからも頑張ります! (2021年5月2日 7時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - とっっても、面白かったです!!もう、夢主の反応とかがめっちゃ面白くていつも思い出して笑っています!!これからも頑張って下さい!! (2021年5月1日 23時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - S_t0606さん» コメントがきたことにはしゃぐ人間はこの世にはいます。(ありがとうございます!)なるほど、、確かに夢主よく宇髄さんといますから、、もしかしたら、、? (2020年11月29日 20時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 宇髄さん宇髄さん宇髄天元様で落ちお願いします (2020年11月29日 17時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - 氷華さん» まさか続編にいけるとは、、(←亀更新人間)こちらこそ、よろしくお願いします! (2020年11月14日 21時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひいらぎ・いろ x他1人 | 作成日時:2020年11月13日 0時