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「じゃあ、行ってくるよ。」
おじいちゃんに叱られたためか、少々不服そうな善逸だが、腹を括ったらしい。
「あのさ、じいちゃん。こんな俺を今まで育ててくれてありがとう。俺、やっぱりじいちゃんのこと好きだよ。じいちゃんに恩返しできるように強くなるからさ。それまで待っててよ。」
「うむ。善逸、行ってこい!!」
「うん!行ってきます!」
ちゃんと文書くからねー!と振り向いて手を振る善逸はいつの間にかすっかり泣き止んでいた。
「まったく…。さっきまであんなに泣き喚いてたのに…。」
「…あの子は…強く、優しい。努力できる上に、素晴らしい才能を持っておる…。じゃが、それを認めようとしない。自分自身を否定し、受け入れようとしないのじゃ。…儂はどうも心配でのう。
A、善逸を頼んでもよいか…?」
善逸は、慈悟郎の今までで1番、手のかかる教え子であった。だが、それと同時に、心優しく、直向きに努力する彼を大切に思っていた。そのことをAは勘づいていたのだ。
おじいちゃんの不安そうな目。少しでも安心させたい…。
「善逸の扱いは、おじいちゃんの次に上手だから、大丈夫よ。任せて!」
「そうじゃったな!」
ハハッと笑うおじいちゃんの声が、青空に吸い込まれる。
すると、私の鴉が“カー”と一鳴きした。
「…そろそろ私も行くよ。
おじいちゃん。善逸もそうだけど、私もおじいちゃんのこと好きだからね!私、おじいちゃんみたいな立派な柱になって、鬼を滅殺する。
そしたらまた、おじいちゃんと私と善逸…まぁ、獪岳も。みんなでまた一緒に暮らそう!」
「あぁ、そうじゃな!頑張ってこい!A!!」
「はい!行ってきます!」
この時の私たちは、これがおじいちゃんとの最後の会話になるだなんて、知る由もなかった。
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作者名:春風の通り道 | 作成日時:2020年3月24日 21時