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すると、それに釣られて、他の男子も会話に加わる。
そしてさも当然のように、清光の隣には私がいた。
彼は学校でも同じクラスになった事を幸いに、常に私を側から離さない。
それは万が一ボロを出してしまって時、私に上手くフォローさせるためだ。
「そのチーク最近でた色なんだけど、結構発色良いよ」
「そのマスカラ、こないだ雑誌で紹介されてた」
「このアイライナー、なんか上手く引けないんだよね。
結構高かったのに」
「へえ・・・そうなんだ」
こうして彼は、知識を増やしていく。
他の男子も面白いようで、メイク道具を手に取り始めた。
「加州くんはやっぱり、綺麗にメイクしてる子が好きなの？」
伊口さんは清光への探りも忘れない。
アイメイクのばっちり決まった目で見上げられ、清光は怯むことなくニコリと笑った。
「俺はナチュラルメイクが好き」
「でた。
結局は元から可愛い子が好きなんだよね、そう答える人って」
清光はナチュラルメイクこそ1番難しいと知っているが、あくまでも知らないフリをする。
涙袋を強調させる伊口さんのメイクは、清光の中で�爛�マみたいで不自然�瓩班床舛気譴討い襦�
ホームルームの纏まらない話し合いに飽きた男子たちが、化粧品を自分の顔に試し始める。
真っ赤な口紅を塗った男子が笑いを誘い、どこからともなく声が上がった。
「ーーなあ、女装喫茶なんてどう？」
その声に、清光の眉がピクリと反応する。
「女子が俺たちに化粧してさ、その格好で接客すんの」
「それって、何年か前の先輩たちがやったんだろ。
キモくて人気無かったって噂じゃん」
「だからリベンジするんだよ。
普通の喫茶店じゃつまんないし」
リーダー格の男子たちが盛り上がり始める。
今までの空気は何だったのかと思う程、クラス内の意見が活発に交わされるようになった。
その賑わいで目が覚めたのか、担任がようやく顔を上げる。
「・・・先生は�狃�装喫茶�瓩辰謄諭璽潺鵐亜△匹Δ�と思う」
「亮、ずっと寝てたくせに」
担任の吉澤先生は教師になって日が浅く、クラスではタメ口を使う生徒も多い。
寝ぼけ眼をゴシゴシと擦り、彼はようやく黒板の前に立った。
「今日の放課後には申請書出さなきゃいけないから、そろそろ話を纏めること」
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作者名：井原 | 作成日時：2023年2月22日 1時
