6眼鏡と包帯 ページ7
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『……其れで、私が呼ばれた理由は?』
私が態々来てやったにも関わらず、黙々と仕事を続ける兄に何かとちょっかいをかけて来る太宰さん
「其れは、私が説明致しますわ‼」
『ナオミちゃんが?』
意気揚々と名乗りを上げたナオミちゃん
いつの間にやら、兄の谷崎さんもナオミちゃんと腕を組んで立ち上がっている
私も兄の腕にだきついてみ________うん、無いな
「今度の土曜日にあるお祭りに探偵社一行で参加するんです。その為の浴衣を選定しようかと思いまして」
ナオミちゃんは一度話を区切ると「其れに」と私の耳元で続けた
「Aさんも例のお隣さんと行くのでしょう?私が選んで差し上げますわ」
この時の私は真逆、あんな事になるだなんて予想だにしていなかった
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『ナオミちゃんのセンスが七光り……すげぇ』
「Aちゃん如何?男前に見える?」
長い脚を組んで「如何?」と小首を傾げられても……ねぇ?
『作法に則ってっていうか、包帯が邪魔すぎて勿体無いと思いますね』
「真逆……Aちゃんは私を脱がせたいのかい?」
『頼んだら脱いでくれるんですか?』
「え?」
『はい?』
出来る事ならその美脚を天高くに上げて裸逆立ちしながら横浜の街を一周してみて欲しい
一生忘れられない夏の思い出になると思うんだ
「国木田君‼私の貞操の危機だ‼」
「年中発 情期のお前に貞操の危機など有るものか‼つまらん小言を言ってないで浴衣が決まったのなら仕事をしろ仕事を‼」
『ウチの兄さんて社畜の権化だと思うんだよね。あー可哀想』
太宰さんもナンパにナンパを重ねた結果だから妥当な判断だと思う
因みに、私も太宰さんに初対面で心中を申し込まれたたちだ
兄さんがブチ切れたけど
「……というかAちゃんは私達とお祭り行かないのだよね?」
『うん、お友達?……んまぁ、最近仲良い人が居てさ』
「へぇ、お友達ねぇ……」
何故か太宰さんとナオミちゃんの目がキラリと光ったような気がしてならない
ナオミちゃんに再度御礼を言い、探偵社を後にした
浴衣姿の敦君が鏡花ちゃんに褒められている姿は絶妙に微笑ましいなぁと
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作者名:紺珠 | 作成日時:2018年9月8日 20時