3帽子 ページ4
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『中也‼十一時間振りだね‼』
「おー、上がれ上がれ」
朝とは一変して、無闇やたらと追い出さない中也
……そんなに呑みたいのか
まぁ、一言でいうと中也の絡み酒は心底、面倒くさい
酔ったら可愛くなるとか通り越して、前後不覚に成る程、飲み明かすから用心しなければいけないのだが
「見ろよコレ‼中々、手に入らねェ葡萄酒」
不覚にも、呑む前は可愛いのである
「つまみにゃ、このチーズだろ、な?」
チーズを片手に踵を返す中也
____うん、可愛い
もう、よく分からないけど何、この可愛い小動物
『はぁ……デレ期到来』
「あ?」
台所を借りて、簡単なものを作ろうとしたが
既に、選り取り見取りな料理達が机に並んでいるではないか
早く座れ、と言わんばかりに此方を見てくる中也
____中也は女子力の権化か否か
『私、中也が嫁に欲しいよ』
「頭のネジ外れてンじゃねェか?」
『三本くらい』
「否定しろよ」
中也が嫁に欲しいとか、私の頭、イかれてると思う
自他共に理解してるよ……うん
席に座り『いただきまーす』と手を合わせる
「変なとこで律儀な奴だな」と笑われて、カチンときたのは私の胸にしまっておこう
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作者名:紺珠 | 作成日時:2018年9月8日 20時