13話 ページ14
貴方side
私が異能の使い方を知ってはや1ヶ月がたとうとしていた。
部屋の外から出て地下牢で異能を使わせてもらったあの日から太宰さんか中原さんのどちらか、もしくはおふたりで来て私を部屋の外に連れ出してくれるようになった。
太宰「Aちゃーん！！！今日も遊びに来たよ！」
どうやら今日は太宰さんが暇らしい。
大きな扉を勢いよく開けて太宰さん部屋の中に入ってきた。
貴方「今日は太宰さんなんですね。いつもありがとうございます。」
太宰「いいのだよ。私が好きでやっている事だし、何より君と話すのはとても楽しいからね。」
太宰さんはとても博識で、主に自 殺についてよく語られる。
貴方「太宰さんは最近どんなお仕事をされているのですか？」
太宰「うぅん...最近はポートマフィアにたてつく組織のを潰したり、武器商人との取引をしたり...。特に面白い仕事はないね。」
太宰さんが部屋に来る度包帯が増えている。危険なお仕事だとは分かっていたけれど聞いてみるとやはり鳥肌のたつような仕事内容ばかりだ。
太宰「Aちゃんは最近何をしているのだい？」
貴方「うぅん。私は前からさほど変わりませんね。最低一日に1度太宰さんか中原さんが来てお話をしてくれたりお外に出してくれたりする以外は本を読んでいます。」
首領は私に沢山の本をくださる。童話から哲学的な本、小説に漫画。外に出してあげられないからと。本当にお優しい。
太宰「ポートマフィアの中だけでなく外に出られるようになったら沢山の場所に遊びに行こう。」
太宰さんは優しく微笑んだ。
太宰「あっそうだ。そろそろ私のことを太宰さんではなく治と呼んでくれないだろうか。｣
貴方「えっと...治くんでもよろしいでしょうか。私今まで下の名前で呼んだ方が居なくて。」
太宰「おお！では私が初めてということだね！あとで中也に自慢しよーっと。」
今日私は初めて下の名前で呼ぶ人ができた。
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