【宇髄天元】どんなお前になっても【男主】

追想 ページ7

表情は変わっていないけど、つい数秒前とは明らかに雰囲気が違う。

俺はもしかして、聞いてはいけない事を聞いてしまったのだろうか。

「な、何でもないです！！」

「あ？」

「俺は何も聞いていません！！今日は天気が良いですね？と世間話を振っただけで！！！」

ため息と共に、悲しい匂いが少しだけ薄まる。

「雨降ってんだろ、今は」

見事に誤魔化せなかった。

余計な気を使うな、と言われたような気がして、小さく肩をすくめる。

「俺には継子がいねぇのか、って聞いたな？」

「えっ」

話題が逸れることはなく、逆に真正面から聞き返されて思わず固まる。
ぶん、ととりあえず頭を縦に振ると、宇髄さんは何処か遠くを見つめながら呟いた。

「居たぜ、俺にも。...消えたけどな」

「....消えた？」

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