【銀魂】 吉原の遊女と鬼の話。

お互いの思い ページ42

初めは嫌いじゃった。
初めは嫌ェだった。









口汚い、鬼の副長。
汚れた、ただの遊女。








でも、ほかの男とは何かが違った。
でも、ほかの女とは何かが違った。









気持ちに気付いても気づかぬふりをした。
気持ちに気付かずに好きだった女と重ねた。









じゃが、いいわけはすぐに外れた。
だが、俺はやっと気付いた。








わっちは、この男に惚れていたのじゃと。

俺の心にもう一人、この女が入りこんできたのだと。









気付きたくなかった。

認めたくなかった。








叶わない恋じゃから。
叶えちゃなんねェ、望んじゃならねェ事だから。









でも、この男はわっちをどんどん好きにさせる。

だが、この女をみると、自分の感覚がおかしくなる。









自分が自分じゃなくなる。
俺が、俺じゃなくなる。









入り組んだ思いの先に、

隠さなきゃなんねェ思いの先に、









遊女は涙した。
鬼は魔物を殺した。








――――お互い思いあいながら・・・・。

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