【銀魂】 吉原の遊女と鬼の話。

問い ページ38

予想しなかった、姿。

意味の読めぬ言葉。




わっちは何を考えるより先に羽織っていた布を
土方にかけようとした。







「そんなにぬれて・・・・早くふかぬと・・・・・」







引きよせられる体。
二度目の感覚。








「・・・心配させんじゃねェ・・馬鹿」








囁かれる声に、
手からはらりと布がこぼれる。







やさしい、声音。





心配？





わっちを？







なぜ…？





・・・分からぬ。






トクリと跳ねる心臓。
銃の入っている裾。
かたっぽだけが重くて。






「・・・ひじか…た・・」





嫌いじゃった雨の滴さえ、
土方のたばこと混じると温かく感じる。







「・・・・もし、・・・もしもじゃ・・・。





遊女が・・・・・ぬしを愛しているというたら・・・






・









・・・・・・ぬしはそれを寝屋の戯言じゃと思うか？」









抱きよせられながらも手にかけた銃。





カタカタと頼りなさげに揺れて。









土方の目が見開かれるのが気配で分かる。









最後の確認。



わっちの恋の本当の終わり。




なんと女々しい女じゃと、自分が嫌になる。









帰ってこない答え。
ぬしは本当に意地悪じゃ。




・・・だが、知っておった。





答えが返ってこぬことくらい。




土方は、やさしいから。









もしかしたらこれが、わっちの望んだ答えかもしれぬ。









手の中の銃の震えが止まった。

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