【銀魂】 吉原の遊女と鬼の話。

銃 ページ29

心臓が数泊とび上がる。




この間の客、とはきっと土方。





わっちの気持ちが知られたというのか。




そんなはずはないと思っても、
頭は激しく警鐘を鳴らして。






・



「・・・いえ。
初の客ではありんしたが変わったところも特には・・・」









当たり障りのない答え。
崩れない笑顔がひやりとさせる。









「そうですか。
次もまた来るようなことはありますか？」









質問の意図を見失う。
この人は何が言いたいのか。








「・・・少し用があってあと一度だけは来ると・・」









正直に答える。
最初に応対するのは宮野だ。


隠して帰って怪しまれるのは避けたい。









「・・・・なぜ、
宮野様があの客を気にするのでありんすか？」









・・・・・質問してもなお、崩れぬ笑顔。




間をおいて宮野は口を開く。









「Aに頼みたいことがあったからですよ。」









胸をよぎる、いやな予感。









「懇意だとやりづらいと思って心配していたのですが、
いや、よかったです。」









気持ちは知られていないと知っても、
なおやまぬ警鐘。







宮野の袖口から滑り出てきたもの。









それは。









「この銃で、あの客を撃ち殺しなさい。

手段は問いません。

男の警戒を解くのなど、造作もないでしょう？」









あやしく笑いの形をした目が光った。

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