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大「Aちゃん、俺何もわからへんけど、今Aちゃんを助けてくれるのはマルちゃんやと思うで」


そう言って私の手を掴み
自分の制服を離させる

掴んでいた部分のワイシャツはシワシワで

どれだけ強く掴んでいたのかが見て取れる



大「マルちゃん、Aちゃん、また明日」


「あっ…」


待って、とまた引き止める前に大倉くんは手を振って外に出た



家の中には隆平と私


重苦しい空気




「……隆平」

丸「ごめん、なんか、なんか僕変やわ」


ため息をついて頭をポリポリと掻く隆平



「ううん、ごめん、悪いのは私」

丸「仲の良さが取り柄の2人やんか」


何となく気づいてる


全ては裕兄に会ってから

隆平は何も聞かないけれど

探ろうとはしないけれど


丸「大丈夫。僕からは何も聞かへんよ。だからこっち見て」


恐る恐る顔を上げると

そこには私の大好きなふにゃふにゃの隆平の笑顔


なんでこんなにも安心感を覚えるのかな



丸「大丈夫やから!その顔したらあかん!」

両手で私の顔を挟んで、親指で口の端を引き上げる


人工的に作られた笑顔



そしたらなんか本当に笑えてきちゃって


「…ぷっ、やだ、変な顔させないでよ!」

丸「しんみりした顔よりええやんか!」

なんてひとしきり笑うとスッキリしてきて


あーあ、裕兄のことでクヨクヨしてる自分がバカみたい


なんて一時的にでもそう思わせてくれる


隆平はすごいよ




丸「よかったぁ、Aはやっぱり笑ったほうがええよ」

私の顔を両手で挟んだままの隆平もまた、大好きな笑顔を向けてくれて




なんでだろう


私たちは近付きあった


どっちからと言うわけじゃない


私からでも隆平からでもない


ただ磁石のように引き寄せられて


それがさも必然かのように私たちは口付け合っていた

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温田(プロフ) - まるこさん» ありがとうございます!できるだけ毎日更新を心がけております(;▽;)ロング小説になりそうな予感ですがよろしくお願いします…! (2021年3月5日 7時) (レス) id: 413ed48470 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - あぁ〜!ダメです!続きが気になってしまいます!笑 更新待ってます(^^) (2021年3月5日 0時) (レス) id: 882f735b0b (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - はい! (2021年3月1日 7時) (レス) id: a74bdcb86f (このIDを非表示/違反報告)
温田(プロフ) - えむさん» ありがとうございます〜!( ;∀;)まだまだ終着点が見えませんが、ぜひお付き合い頂けると嬉しいです…! (2021年3月1日 7時) (レス) id: 413ed48470 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - この話めちゃくちゃ好きです!!更新楽しみにしてます!! (2021年2月28日 22時) (レス) id: a74bdcb86f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:温田 | 作成日時:2021年2月21日 22時

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