short films (ページ28)

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lemon (S.h) ページ28

ただただ紫耀くんに可愛いと言われる話。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『それでね？友達がね？
ん？私の顔になんかついてる、、？』

「可愛いなぁと思って。
で？友達がどうしたの？」

『え、、ちょっとやめてよ』

相槌をうつかのように
何の気なしに可愛い。を連呼する私の彼

目の前に置かれたクランベリージュースを
一気に飲み干した

「可愛いなぁ本当」

『からかわないでよっ』

隣に座るおばさんが微笑ましく
こちらに微笑んでる

もっと可愛い反応ができたら
どんなに幸せなのだろうか。

後ろに座る女の子たちも、
さっきからヒソヒソと前の男の子が
かっこいいとか、彼女の顔が見たいとか。
もう、全部聞こえてるってば！

だけど私にとってこんなことは、
日常的茶飯事

待ち合わせ場所に向かえば
一際目立つ彼の姿があるし

隣を歩いていても感じる人の視線

マイペースな彼はそのことに気づいてる
のか分からないけれど、そんなことなんて
御構い無しに、彼は私のことしか見ていない

紫耀に見合う女の子になりたくて
苦手な料理も克服しつつあるし
2キロ落とすダイエットにも成功した

一か月ぶりにあった時には
綺麗になったね。
ここにお肉ないのは悲しいけど。
って本気で悲しがられたなぁ

お店を出て、並木道を手を繋いで
並んで歩く

指を絡ませて繋がれた手

私の手の甲にリズムを刻む紫耀の指に
愛おしさでいっぱいになって
無意識に繋ぐ手に力を込めていた

何かに気づいた紫耀は

「どした？」

と私の顔を覗き込む

あぁ、どうしてこんなに優しい顔なんだろう

伝えたくてたまらない。

『幸せ、、今すっごい
幸せだなぁーって』

恥ずかしくて、顔なんて見れなかった

すると立ち止まる足

「なにそれ、、可愛すぎるだろ」

空いた手で、口元を隠す紫耀の
ほっぺたが真っ赤に染まっていて

『しょ、、う？』

「ごめん、いままゆの顔見れない」

『え？』

「あぁ、ほんと可愛すぎだから。
勘弁して？」

力なくそういった紫耀の照れた顔
をみて、私はなにも言い返せなくなった