七十一 ページ21
「一期じゃないか!大丈夫なのか?」
「はい。まだ頭が混乱していますが冷静にはなれました。」
離れに着くと言いつけたように鶴丸の旦那が見張りをしていた。
その傍らにはこんのすけのような大きな狐が泣きそうになりながら足元に駆け寄ってきた。
「えっとこんのすけ、だよな?その姿の理由は後で聞くとして審神者は今どうなっている。」
「はい!こんのすけでございます!審神者様は今燭台切様によって体を拭いてもらっている最中かと。」
返事を聞くや否やいち兄に鶴丸の旦那とここにいるように言い部屋に入っていく。
いち兄は手伝いを申し立ててきたがあの状態の審神者を見てしまえばよからぬ方向に勘繰ってしまうかもしれない。
「薬研くん、よかった無事に来れたんだね。ほら主くん薬研くんが来てくれたよあとちょっと頑張って。」
「....ぁ゙あ゙...す、すまな゙...ふッ....ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」
「喉も潰されてるのか。喋らない方がいいそのままで大丈夫だ。痛むと思うがまずは腕を動かすぞ。」
審神者がコクリと頷くのを確認しながら腕を動かしてどんな状態か調べる。大抵は強く殴られて青紫に変色しているだけだが一二箇所何度も殴られたのか骨に罅が入っていたり折れていたりと悲惨だ。
きっと他の場所もそうだろう。首には歯型が付いていてかなり強く噛まれたのだろう。深くまで傷ができている。
「すま゙、な゙.....い゙....ゴホッ...油断しで...いた...のだ…迷惑を゙ッッかげたな゙...」
「怪我が治ってからでいい。何があったか聞かせてくれ....指が全部潰されてるな…」
「髪も切られちゃってるね。それでかな、耳が切れてる。」
見れば見るほど傷が発見される。闇落ちしてしまっていたが断片的に記憶はある。
その記憶の中での審神者は強かったはずだ。こんなに簡単にボロボロになってしまうほど弱くは見えなかった。
427人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翔(プロフ) - 安仙任さん» ありがとうございます!亀更新ですが頑張ります! (2021年2月12日 20時) (レス) id: e634417883 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - とても面白いです!続きを楽しみにしてます!これからも頑張ってください(^^) (2021年2月12日 19時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アパー | 作成日時:2021年1月28日 18時