六十三 ページ13
これは……薬研殿？
そこには腕と足が骨で覆われ、顔半分に面をしたような……
時間遡行軍と似たような格好をしている。
完全に堕ちている。取り除けるか？
……2日も寝ていたんだ。霊力は戻っているだろう。
薬研「ィラナイ……ﾆ､ﾝｹﾞん、去レ……サ、レ……。」
「無理だ。ここを去ることは出来ない。
代わりにお前を治すことが出来る。言っておくがこれは強制だ。
拒否権などないぞ。」
審神者への復讐のために望んで闇堕ちする男士は少なからずいるが、
薬研殿は望んでこの状態になった訳では無さそうだな。
霊力は直接本体へ流し込んだ方が早いのだが
そんなことしたら手が切り落とされる。
心臓付近に流し込もう。
そう思いながら近付こうとしても、全く触れさせてくれない。
不利でも有利でもない。
いや、前言撤回。
どちらかというとおれが不利だ。状態異常もある上に病み上がりみたいなものだ。
それに闇堕ちしたからなのか練度が上限の薬研藤四郎殿より速い。
おれさえあれば多少なりとも攻撃を防げたかもしれない。
また一つ一つと傷を付けられていく。
身をずらしているので完全に深くには行かない。
だがそうしていると触れない。埒が明かぬ。
縛を使うか？いや、
そんなことしたらさらに拒否反応が起り取り除けないかもしれない。
また寝込むかもしれないがかくなる上は、
薬研「ツ、かまで……とぉ、た、ぞ！」
これでいい。
薬研殿の本体が抜けぬよう体に力を入れ、さらに片手で固定する。
人体で心臓があるであろう部分に触れ瘴気を取り除くように霊力を流す。
.
薬研殿は元の姿に戻っている。
何とか倒れないで済んだ。
障子に付けてある縛と寂をとこうとするも、力の制御が上手くできず、
ただただ障子に手をかざすだけ。
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翔(プロフ) - 安仙任さん» ありがとうございます！亀更新ですが頑張ります！ (2021年2月12日 20時) (
レス) id: e634417883 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - とても面白いです！続きを楽しみにしてます！これからも頑張ってください(^^） (2021年2月12日 19時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｱﾊﾟｰ | 作成日時：2021年1月28日 18時
