安らぎと癒えの女神=血を求む魔女 ページ28
ジャック「Aは?!Aは大丈夫なの?!」
エイトフット「心配ねぇよ。暫く横になってるように言っといた。」
食卓には手下全員がいた。
皆表情がどことなく重い。
例えヴィランズであっても
愛なんて知らなかったとしても
Aの存在は大きかった。
マスターヴィランズと同じくらい大きい存在。
不思議と心の中に居るのだ。
大切な人。
暮らしの中にいる。欠かせない人。
これが愛なんだろうか…。
それはヴィランズには分からない。
だけど…
Aはずっと一緒に居たいと思える人だった。
スキャター「Aさん昨日、黒獣で必死に戦ってました……」
マルフィ「まるで、騎士のようだったな。美しい姿だった…私には負けるが。」
言われてみれば昨日のAは、普段見せる穏やかなAとは程遠かった。
アップル「彼女に付いていた血は全て返り血だったな。」
スキャター「わ、私見ましたよ!怪鳥の血がAさんに降り注いで、頬に伝った血を舌ですくってるの!それはもう美しかったです……!」
ヴェール「私も見ましたわ!本当にお美しかったですもの!」
プリティ「やーん!私も見たかったー!」
プリティスカーは残念そうに下を俯いた。
シリキ「血を求む魔女」
一同「?!」
突然響き渡った声に誰もが驚いた。
声の主はシリキ・ウトゥンドゥ。姿は見せないものの確かにそこに居るようだった。
シリキ「Aの呼び名だ。彼女を恐れる者はみなそう言う。」
声はその部屋のみに響いていた。
シリキ「また彼女を尊敬する者は安らぎと癒えの女神と呼ぶ。特別な者は呼び名が多くて紛らわしい。」
一同はその声に耳を傾けていた。
シリキ「彼女は余りに特別であり過ぎた。誰もが彼女の涙を求めている。彼女の何が特別なのか分かるか?」
一同はその問いに答えようが無かった。
シリキ「それは生まれながらにして強力な光と闇の魔力を持っているということだ。
お前達にしっかり認識してもらなくてはならない。彼女が光を持っているという事を。」
光。それはヴィランズには無い言葉だ。
シリキ「確かに彼女は強大な闇を操る。だが、それに加えて強大な光も操る。」
部屋は変に静かで空気が張り詰めている。
シリキ「このホテルハイタワーの持ち主であったハイタワー3世のコレクションに予言の書がある。アイツは全く信じもせず開きもしなかったが。」
そう言うと何処からともなく1冊の本が机に置かれた。
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オクトパス(プロフ) - ポップスさん» あ、ありがとうございます! (2017年9月12日 18時) (レス) id: 9001e4cb89 (このIDを非表示/違反報告)
ポップス - 面白いです!キュンキュンしちゃってます!ジャックハートのパンの話、可愛いです! (2017年9月12日 18時) (レス) id: 4fc279d8fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オクトパス | 作成日時:2017年8月25日 22時