魔力 ページ27
Asaid
「っ…………」
目を覚ましたのはベットの上だった。
カーテンの隙間から差し込む光が朝だと教えている。
目を擦りながら体をあげる。
「っ！」
だが、腕から痛みが電流のように流れ動きを止められた。
痛む場所に目を向けると獣か何かに襲われたような傷が腕に描かれていた。
エイトフット「A！」
心配して来てくれたのか、ドアにエイトフットが立っていた。
「エイトフット………」
正直、昨日の出来事は余り覚えていない。
あの蠢く怪鳥を倒すのに必死だったせいだ。
このホテルハイタワーで暮らすことになったとき私はシリキ･ウトゥンドゥ様と契約をした。
それはこのホテルハイタワーを守ること。
それ故にあの怪鳥を倒すのは絶対だった。
自分の命がどれほど危険か分かった上で戦った。
黒獣のお陰でどうにかなったものの魔力の使いすぎにより気付けばベットの上だった。
母には魔力の使いすぎには気を付けろと重々言われていた。
何せ使い方によっては魔力が自分の命を脅かす原因と化すからだ。
この事を知れば恐らく皆怒るだろう。
いや、ヴィランズだからその様なことは思わないだろうか。
だが、この考えは皆に対して失礼かもしれない。
エイトフット「お前なぁ!!」
とはいえ彼が怒っているのは事実だ。
エイトフット「約束事したよな？助けを呼べって。それに俺から離れんなって。」
「し、知らない。そんな約束。」
あの怪鳥を倒したのは彼等を守る為でもあった。
故にこのように叱られるのは何処か納得が行かなかった。
エイトフット「ったく……」
そんな私の気持ちを察していたのだろうエイトフットは諦めた様に首を振りながら溜息をついた。
エイトフット「お前、ヴィランズらしい強い魔力持ってる割にはヴィランズらしくねぇよな。」
「何それ…」
エイトフット「大体俺達みたいなヴィランズの為に自分の命犠牲にしてまで守ろうとかすんなよ。」
「…別に守ろうとか思って無いもん。このハイタワー守る為だし…！」
少しだけムカついて私はそんな言葉を投げた。
「それに、別に…」
エイトフット「何だよ」
一旦言葉を切り再び口を開いた。
「もし、あなた達を守る為だったとして、死んだとしても後悔はしない。」
何だか照れくさい。
けど言いたかった。
エイトフット「っ……そーかよ。ヴィランズらしくねぇな。」
エイトフットの顔が僅かに紅い。
それを見られないようにエイトフットは背を向けた。
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オクトパス(プロフ) - ポップスさん» あ、ありがとうございます！ (2017年9月12日 18時) (
レス) id: 9001e4cb89 (このIDを非表示/違反報告)
ポップス - 面白いです！キュンキュンしちゃってます！ジャックハートのパンの話、可愛いです！ (2017年9月12日 18時) (レス) id: 4fc279d8fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オクトパス | 作成日時：2017年8月25日 22時
