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9. ページ10

__それは、あまりにも急だった。












「「カウントダウンパーティー?」」



甘い夜を過ごした翌日。昨日のことが夢だったかのように殺伐とした事務所で、今日も幹部会が開かれた。


鶴蝶の言葉に仲良く反応を揃えた幹部共は、全員が顔を歪めている。俺もイヤな予感しかなく、どうかわそうか考え始めていた。



「ああ。来月に敵対してたシカゴの組織が日本でトップの誕生日を祝うパーティーを開く。で、そのパーティーに招待された。」



「はぁ?目的は?俺らのこと潰してぇだけだろ。」



「…それが、俺らの傘下に下る。その契りを交わしたい。とのことだ。」



「…ちょうど俺らが取り込もうとしていたデカい組織、か。おい、ちょっと話が美味すぎねぇか?」



「つーか、傘下に下んならそっちから出向くのが筋だろーが。」





……まぁ9割梵天潰しが本命だろうが、もし本意ならばここまで美味い話はない。



そして、ザワつく幹部を押さえつけるかのように、組織一寡黙な男が口を開いた。






「……パーティーに出席するのはもう決めてある。誰がなんと言おうとこの決定は覆らない。


どうせ潰すか吸収するかの組織だ。あちら側の本当の目的は知らねぇが、俺たちはそれを利用するのみ。


__盛大に祝ってやれ。」




……ボスがこう言うならば仕方がない。が、こう祭りの話を持ち込まれると、昔のヤンチャした血が騒ぐようで、幹部たちの口角が上がり始めた。…俺を除いて。



俺は未だに考えていた。このパーティーの派遣をどう逃れるかをだ。




「……で、パーティーに派遣するメンバーだが…」




誰もが唾を飲んだ。誰もが鶴蝶の口元に集中する。





「俺、三途、竜胆、九井、鶴蝶、そして、蘭だ。」




……が、口を開いたのはマイキーだった。






……ん?まて、今俺の名前呼ばれた??




「…………ボス、悪ぃけどその日は別件が…、」



「下に回せ。俺が許す。」



「……いや、でも、」



「はんっ、どーせ嫁の不倫が怖ぇんだろ。」



「…………あ?テメェ今なんつった三途。ツラ貸せやコラ…!!!」



「あ"あ!?上等だわボゲッッ!!!!」















「__てめぇら、いい加減にしろ。」





机の蹴りあげる音で、胸ぐらをつかみ合う俺らの視線がマイキーに集まる。



「……蘭。これは梵天の今後において極めて重要な案件だ。お前の事情は汲み取れない。」




…募るイライラと焦りが、逆に脱力感を生んだ。

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作者名:すき子 | 作成日時:2022年1月22日 23時

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