Vermaechtnis【sn.】

■ ページ7

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「いや！！やめて！！」


目の前で喚く化粧濃いめの女＿＿_敵国の潜入捜査員で敵将の愛人。俺が先週くらいから情報を得るために近づき、今回の奇襲も彼女から聞きだした。あまり回るのが得意でない頭をフル回転させて指示を思い出す。ああそうだ、敵将の弱点聞いとかなきゃだった。


「なんで？！私を愛してるって言ったじゃない！！嘘だったの？！」
「俺は本当に愛してたんだよ」


傍から見れば何処ぞの痴話喧嘩。まあそれと何が違うかというと、俺がそんなこと思ってもないってこと。こういう時なんて言うんだっけ、嘘もなんとかって。嘘も方言？なんかそんなやつ。そういうこと。


「……俺のこと愛してるなら言えるよね？敵将の居場所。」


そう言えば大抵の女は口を開く。今回も例外ではないようで。


「…雪花隊の基地に行ってる」
「俺のために、ありがとう。それじゃあ＿＿＿＿」
「…ねえちょっと！！話が違うじゃない！！」


安全装置を外した俺に喚く女がうるさくて彼女の前髪を掴んで目を合わせると俺の瞳の黒さに彼女の目が見開かれる。涙目だけど全然そそられない。まあでも、最期くらいは痛くないようにさせてあげないと？


「俺のために死んでくれるっしょ？」


背後から呟くとさらに開かれる瞳孔。そりゃあ驚くよね、同じ顔した人間が後ろにいたら。
彼女のこめかみに銃を当てて発砲、そう考えればもう一人の俺が思考と同じ動きをして引き金を思いきり引いた。


「はー、命乞いする女ほど見苦しいもんないわ」


壁に飛び散った深紅がやけにリアル。阿部くんに敵将の位置を教えれば入れ替わりのようにかかってきた康二からの無線。


『めめきゅーん！！そっちは上手くいったんか？』
「うん、意外とあっさり」
『えーでもよく大人しくしてくれたなあ』
「愛してました、って言っとけばとりあえずなんとかなる」
『うわあめめきゅんゲスい…』
「そういう仕事なの」


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No_007 目黒蓮
潜入捜査員 兼 暗殺者
どんな手を使ってでも任務をこなす。ラウールのお守り役。
康二によく短剣の訓練をつけてもらっている。
ちょっと頭が残念。本人曰く自覚はあるがキャラではないらしい。

能力：分割 Teilung
あらゆるものを分ける。どこまでも細かくして消すこともできる。
自分に能力を使う際は思考と体力が繋がった状態で姿がコピーされる。
日の光にかざしても黒く光る眼になった彼は二人以上いるかも。

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黒百合『愛』『呪い』

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