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もうすぐで基地に着く。
阿部が膝の上に抱えた袋の中身をもう一度確認する。
ピーマン、豚肉、それから玉ねぎ。今晩はどうやら康二の好きな青椒肉絲らしい。
夕暮れが闇に飲み込まれる狭間のような空を見上げれば、突然車椅子が止まった。
驚いて後ろを振り向けば、顔を歪ませ匂いを嗅ぐ岩本。
岩「……なんか血液臭くねえか」
その言葉に阿部も鼻を効かせれば、確かに微かに漂う血液の匂い。
恐らく、方向的に基地の方から。
しかもこの匂い、なんとなくだけど遠い昔に嗅いだ記憶がある。
阿「……舘さんの匂いだ」
岩「……は？」
阿「やばい、早く戻らないと、ふたりが危ない！」
岩「どういうことだよ」
阿部「ごめん、今は車椅子押して！」
阿部の纏う気配が変わったのに岩本も気づいたのか、必然的に基地に向かう足が早くなる二人。
玄関に着けば見覚えのある人影がふたり、どちらも酷く焦っているようだ。一人は細身で全身真っ黒のテクノカット。もう1人の肩からお高そうなカメラをぶら下げるキャップを被った彼はオートロックを解除しようとした手を止めてこちらを振り返る。
向「照にいに、あべちゃん、どうしよ、」
目「ふたりとも大変なんです！！」
阿「話は後で、とりあえずついてきて！」
向「え、」
廊下。青いネームプレートが落ちているのが更に事が重大であるかのように感じられる。それを拾った岩本は、渡辺の部屋の扉を開いた。
岩「……なんだ、これ」
阿「……やっぱり」
そこには阿部の読み通り血を右手首から流し意識を失っている宮舘の姿。そのすぐ側には泣きながら宮舘の腕を抱きしめている渡辺。
その目はうっすらと赤みを帯びていた。
向「しょったくんの目…赤い……？」
やっぱりな、と呟き荒れた部屋を一瞥した阿部は胸ポケットから錠剤を取りだし、渡辺の口に入れる。
阿「…薬切れてたんだ」
呆然と岩本と向井が立ち尽くす中、目黒は部屋の隅で割れた写真立ての破片を拾っていた。
そこに映っていた見た感じ5歳くらい、青いシャツの男の子と赤いシャツの男の子。
目「ねえ、翔太くん」
その写真を拾い見せれば言葉を失う渡辺。
目「……全部話してください。俺らが知らない、2人の話。阿部くんも、何か知ってるなら教えてください」
宮「…それなら俺が話すよ」
渡「りょうた？！」
目を覚ました宮舘は目黒に説明するって約束したからと少しだけ笑った。
宮「翔太は"海姫"
…所謂、吸血鬼の末裔」
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mu-pon(プロフ) - コメント失礼します。初めまして、mu-ponと言います。いろんな事情があったんですね。この小説がとても面白くいつ更新かなと街に待っていました！今からも大変だと思いますが頑張って下さい！応援してます！ (2020年6月30日 21時) (
レス) id: df04c4729a (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 初めまして！佐久間大好き！あべさくコンビも大好きです！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2020年5月29日 10時) (レス) id: 624e77d1d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんと(プロフ) - リクエストお願いします！ふっかさんが敵に誘拐されるお話が読みたいです。めちゃくちゃ好きなタイプのお話なので、今後も作品楽しみにしています！ (2020年5月25日 22時) (レス) id: 9203f39f18 (このIDを非表示/違反報告)
てんぷら(プロフ) - ゆり組のお話が読みたいです。2人の秘密に迫るというか、2人ならではの絆のお話しをお願いします。アバウトな感じですみません。。これからも応援しています。更新待ってます。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: d802e6ae3c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 藜さん» すみません！間違えました (2020年5月23日 23時) (レス) id: c9acd22823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藜 | 作成日時：2020年5月16日 21時
