7曲目 ページ7
「ほんと、笑い飛ばしたなるわ。侑は知らんもんな。俺の方が、アイツのこと先に好きんなったのに……
なんでお前なん?そうやって、(主人公)も奪っていくんや」
いつもそうだった
小学生の時も、中学生の時も
俺が好きんなる子は、みんな侑の事が好きやった
俺なんて眼中に無い
こんなに似てるのに、俺には何が足らんのか
何度考えてもその答えは導けない
高校に入って、1年で隣の席になったのが(主人公)で、話すうちにどんどん好きになっていった
早く言ってしまいたかったけれど、その二文字が言えない
俺は確信した
言えないほどこいつの事が好きなんや、って
だけど、だけど
「(主人公)の見つめる先にいるのは俺じゃなかった!わかるか!?なんで同じ人好きになんねん!!諦めろ!」
「諦められるわけないやろ!!」
壁に押し付けられて、足元に置いてあった本が散らばった
好きなやつの恋の相談に乗るなんて、ましてやそれが身内だなんて
信じたくなかった
嘘だと言ってほしかった
好きなやつの応援なんて、出来るわけない
「傷つけて、泣かせて、終いにはもう関わらん?ふざけるのも大概にしとけクソボケ!!」
出来るわけないけど
頭を垂れると、景色が滲んだ
きらりと光る粒が落ちて、フローリングが濡れる
それに気づいたのか、胸倉を掴んでいた手が緩んでいく
応援なんて、したくないけど
「どっちも好きなら、はよくっつけや…!」
勝ち目がないから、持っていけ
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