できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし 拒む ページ31

何故









私は蹴飛ばされたのだろう

部屋の外に出た瞬間

爆発が起こり、あたりは見えなくなる





受身を取る前に誰かに抱きとめられ

煙が晴れるとそれは伊之助だというのがわかった





『…ありがとう』

「俺は親分だからな」





何故…私は戦わせてもらえないのだ

宇髄さんの様に強くなくても

補助くらいは出来るというのに





「Aちゃんはここに居て」





善逸と伊之助は応戦しに行き

私はただただ下で見ているだけ









私は何のためにここに居る

鬼を斬る為にいるのだろう

なら何故行動しない

止められているから行動出来ない









そんな事で立ち止まるな





人の言われたことなんて気にするな



















自分の信じた道を行け





『光(ひかり)の呼吸 参の型 底光(そこびか)り』





近くがダメなら遠くから援護すればいい

帯を止めることくらいなら

参の型でも出来る









再び炭治郎達の姿を見て軽く絶望した





傷だらけなのはもちろんなのだが

皆、重症どころの話じゃない

特に炭治郎と宇髄さんは酷い

宇髄さんは毒を食らっているのか顔色が最悪だ





今すぐ治療しなければ





駆け出すと視界の端に綺麗な女性が現れ

大量の苦無を放つ

あの人も宇髄さんのお嫁さんだろう





二人目の鬼がその人を鷲掴みにし

今にも殺そうとしていた





駄目だ









『光(ひかり)の呼吸 壱の型 閃光(せんこう)』





殺させるものか





腕を切り落とし

首を狙うが、炭治郎が現れ

刀を振るうことは出来なかった





『身を隠して下さい』

「…ありがとう」





流石くノ一と言うべきか

速さは抜群だ





炭治郎に続いて型を放とうとするが









『ッ……何で、』





参の型の光がそれを拒む様に私を覆い

遂には閉じ込められてしまう

視界は白に染まり炭治郎達がどうなっているのか

全く見えなくなってしまった





『どうして…こんな事をするの』





参の型は確かに自分の意思で操れる

けど…私はこんなこと望んでいない

速く皆を治療しなければ死んでしまうのに



















あぁ





そうか









死んでしまったとしても

再び生き返らせれるのだった





皆が死んでしまったとしても

私さえ生きていれば

再び命の炎が灯る





確かにそうだ





そうだけれども



















本当にそれで良いのだろうか

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