二十九 ページ31
【主side】
私が食堂に行くために廊下を歩いていたところ、途中で六年生三人に出会した。
仙蔵「ああ、Aか。お前が忍たま長屋にいるなんて珍しいな」
長次「Aも何処かに向かうところだったのか……?」
『ええ、ちょっと食堂に用が___』
七松「私達もだっ!!一緒に行くぞ!!!」
『えっ、ちょっ、』
仙蔵「おい!小平太、廊下を走るな」
七松「えー」
長次「…それに、Aの手も離してやれ」
そして私達は共に食堂に向かうことになったのだった。
三人は朝から校外へ実習に出ていたため、これから昼食をとるのだそう。
ふと私は三人を見て、とある違和感を覚えた。
『そういえば、あまり見ない組み合わせですね。いつもだと、ろ組と一緒にいるのは仙蔵じゃなくて文次郎なのに』
仙蔵「あいつなら今は部屋に一人だ。何せ酷い風邪だからなぁ…………あ、バレたら恥ずかしいから他言無用と言われていたのだった」
仙蔵はそう言って意地の悪そうな笑みを溢した。
(わざとだなぁ)
人を揶揄っている時の仙蔵は本当に楽しそうである。
長次「だから文次郎の風邪が治るまで、仙蔵は私達の部屋に泊まることになった……」
七松「そうだ!!Aも泊まりに来たらどうだ?」
『私は、は組の看病をしに来てるので行けません』
そう言うと、三人は急に立ち止まって「ああ、それで此処に」と納得したような声を出した。
仙蔵「その言い方だと、は組の二人は共倒れになっているのか」
『そうです。だから粥を作ろうかと』
七松「なるほどな……そう言うことなら私も一緒に作ろう!!」
『え』
私が今でも鮮明に覚えている記憶の一つに、
一ヶ月間食堂のおばちゃんがいないので交代で昼の食事当番をしていた時期がある。
その当時、小平太の作る料理=手抜きもしくはゲテモノだった。
幾ら数年経過しているとはいえ、アレが常人の食べれる物にまで成長しているかと言われると全然そんな事はない。
ましてや今回食べさせるのは病人だ。
トドメを刺しかねん。
『うーん……ちゃんと私達の言うこと聞いてくださいね』
七松「やったぁぁあ!!長次も協力してくれ!!!」
長次「……モソ」
コクッと頷く長次を見て少し安心した。
長次がいればひとまず大丈夫そうだ。
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ゆかり(プロフ) - あー、喜八郎と一緒に寝たい人生だった (12月24日 18時) (レス) @page16 id: c2f7bbb147 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 夢主さん最高 (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 面白かったです✨(*`▽´*) (2023年2月22日 0時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 面白かった〜 (2023年2月15日 0時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - お話良かったです、素敵な作品ありがとうございます。 (2022年7月29日 13時) (レス) @page50 id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホシ | 作成日時:2021年12月31日 3時