上級生の紅一点は、無愛想。《第一章》【RKRN】 (ページ25)

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武器に被せてあった布を取ると、出てきたのは銅製の手銃だった。

普通に考えたらこんなところで撃つのは危険だとわかっているから使わないけど……滝夜叉丸、余程三木ヱ門の恨みを買ってるんだろうな。

(顔に躊躇の色が見えない)

まあ、そんな物を三木ヱ門が取り出したものだから下級生達が慌てふためきだしてしまった。

そんな体育委員会と会計委員会がバチバチの時にふとその間を通りかかってしまったのは事務員の小松田さん

小松田「んー？…って、えぇぇ？！どうしたのっ？！」

(ああもう、なんでこんな時に)

この人もつくづく運がないというか、抜けてるというか……

三郎次「小松田さん！危険だから止めてください！！」

小松田「えぇぇ？！！なんで私が？！」

伊助「だって、この中で一番年上だもん」

小松田「そんなぁ…！！」

(なんたる無茶振りだろう)

気の毒に思ったが、今の私は会計委員の一人
敵である他委員会の助っ人を助けるわけにはいかないのだ。

三郎次「ほら、早くーー！！！」

三郎次は小松田さんの背中を押し出した。

三木「ファイアーーー！！！」

滝「はぁぁぁぁあ？！！」

三木ヱ門が撃ったその時、

ちょうど滝夜叉丸の前につんのめった小松田さんが来たことで、弾は小松田さんの尻を掠った。

掠った摩擦で、そこから赤い煙が出ている。

(唐辛子の匂い……ということは、鉄砲生け捕り火か)

通りで躊躇しない筈だよ。

案の定その通りだったようで、小松田さんの負った怪我も大したものではなかったようだが、

乱「流れ弾が保健委員に当たって、もんどり打って池に落ちましたぁ〜」

流石は不運委員会である。

『会計委員長。ちょっと保健委員会に手拭い渡してきてもいいですか？』

文「うむ……まあ、伊作は風邪だしな。拗らせられても後から困る。行ってこい」

『ありがとうございます』

＿＿＿＿＿

『はい、手拭いどうぞ』

数馬「A先輩、ありがとうございます」

『それにしても保健委員会は大変でしたね』

左近「まあ、こんなこと日常茶飯事ですけど……」

遠い目をした左近が乾いた笑いを溢しながらそう言った。

まだ二年生だというのに相当な苦労人の面持ちである。一体これまでにどんな不運な目に遭ってきたのだろうか。

私は池に落ちた保健委員に手拭いを渡し終えると、伊作の髪を拭くのを手伝った。

伊作「ありがとAちゃん……ｯｸｼｮ」

『病人は終わったらすぐ戻って寝てください』