上級生の紅一点は、無愛想。《第一章》【RKRN】 (ページ24)

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二十二ページ24

三木「一番手は体育委員会です！」

三木ヱ門と団蔵が戸を開けると、体育委員長の七松小平太が仁王立ちで待ち構えていた。

七松「潮江文次郎！！何でうちの予算がこんなにバッサリ削られなきゃならんのだ！！！！」

そして持っていた紙を私達の方に突きつけた。

《予算削減だこのタコ》by文次郎

(タコぉ……)

何年経っても口が悪いのは変わっていないようである。

文「委員長と呼べ。体育委員会においては予算削減と書いて……“自業自得”と読む！！！」

七松「どういう意味だ！！」

文「お前達が掘りまくった塹壕を埋め戻すのに、手間と費用がかかってんだよ！！おまけに、」

左吉「はい！」

七松「……ああぁぁぁあ！！！」

文次郎の合図で左吉が天井に吊るされた紐をひくと、上から大量のガラクタが小平太めがけて降ってきた。

(私がいない間にこんな仕掛けをしてたのか)

まんまとガラクタの下敷きになった小平太は目を回している。

文「見たか！体育委員会が蹴り破ったボールや壊した器物だ！！これより以後自分達で壊した物は自分達で修理すべし！！」

(これら全部を体育委員会が壊したのか……毎日一体どんな活動してるんだ)

そりゃ会計委員会や用具委員会に目の敵にされる筈だ。

私は呆れて声も出なかった。

しかし、小平太はまだ懲りていないようだ。

七松「滝夜叉丸！砲弾だあ！！！！」

滝「はっ、はいぃぃい！！」

私達は砲弾が部屋に蹴り込まれる前に、このために用意していた大きく分厚い板と机でバリケードを作った。

七松「何っ？！！」

文「こうなることはAの報告でわかっていたからなぁ！これで我々に命中することはない！！」

文次郎が嘲笑にも似た笑みを浮かべると、小平太は顔を真っ赤にして怒りをあらわにした。

七松「ッ〜〜〜！！ええい、構わん！！そのバリケードを打ち壊せばいい話だ！！！砲弾を蹴り込め！！！！」

(強行突破か)

どうやら頭に血が上って思考力が低下しているようだ。

すると、後ろで三木ヱ門が布に包まれた何かを取り出した。恐らく、三木ヱ門のことだから火器を持ってきたのだろう。

三木「委員長……ここは私が」

上級生になったからなのか随分と頼り甲斐のある後輩になったなぁ、なんて思ったのも束の間

三木「…滝夜叉丸には色々と恨みが！！」

(個人的な報復だったぁ……)

我が委員長と同じく、三木ヱ門もちっとも変わっていなかった。