検索窓
今日:23 hit、昨日:22 hit、合計:102,077 hit

三十一 ページ33

仙蔵の一言で、場が一瞬にして静まり返った。
まさに鶴の一声とはこのことであろう。

そして、長次と小平太はその言葉に静かに頷いた。



仙蔵「A、今お前と小平太で二つ分の粥を作っていただろう。それの一つを文次郎にやってくれ」

『何も食べたくないと言っていたんじゃなかったんですか?』

仙蔵「いや、正直私が作るのが面倒くさかっただけだ」


仙蔵のこういうところが残念だと私は常々思う。



仙蔵「とにかく、私達で新しく留三郎用に粥を作る……大丈夫。ちょっと食材を加えるだけだ」

『絶対それ大丈夫じゃないですよね』


仙蔵は懐から何やら小袋を取り出した。それは、少し封を開けただけで刺激臭が鼻につく程だった。

(これは……兵器)


私が仙蔵からその小袋を奪い取ろうとした時、後ろから肩にポンッと手を置かれた。


長次「……大丈夫だ」

『長次……』


料理において絶対的信頼のおける長次


長次「Aはおにぎりを食べて待っていろ……」

そう言って長次は小平太と仙蔵を止めに台所へと入っていった。










そして前話の冒頭に戻る。


できた粥は《ありとあらゆる憎しみを詰めて煮込みました》という様な仕上がり


止めに行ったと思っていた長次は仙蔵達の横で笑っている。左手に握られているのは山葵


(止めに行ったんじゃなくて加担したな)


私は呆れた様なため息をこぼすと、その出来上がった粥が入った鍋を覗き込んだ。


『これ何入れました……?』

七松「沢山入れ過ぎて覚えてないが……ネギ、生姜、塩、ミョウガ、山葵、唐辛子、カラシ等だな!」

『後半ほとんど嫌がらせですよね』

仙蔵「その通りだ」

『でも、流石にここまでしなくても……ちょっと揶揄われただけですし』

長次「言う相手が悪い……」

『ええぇ…』

七松「よし!!粥を部屋に運ぶぞ!!!」


そう叫ぶと、小平太は鍋を持っては組の部屋へと凄い速さで走っていった。止めようとしたがもう姿はない。



仙蔵「Aは文次郎に粥を届けてくれ。は組の方は私達が行く」

『あんまり手荒なことはしないであげてくださいね』

長次「わかっている……」

三十二→←三十



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (104 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
281人がお気に入り
設定タグ:忍たま乱太郎 , 忍たま , 愛され・逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆかり(プロフ) - あー、喜八郎と一緒に寝たい人生だった (12月24日 18時) (レス) @page16 id: c2f7bbb147 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 夢主さん最高  (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 面白かったです✨(*`▽´*) (2023年2月22日 0時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 面白かった〜 (2023年2月15日 0時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - お話良かったです、素敵な作品ありがとうございます。 (2022年7月29日 13時) (レス) @page50 id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ホシ | 作成日時:2021年12月31日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。