【黒子のバスケ】元帝光中の猫かぶり少女

第34Q ページ38

『ふざけんな！！
なんでここに連れてきた！！』




赤司「そう怒るな。
勘のいいお前なら……分かるだろう」





表情を変えるでもなくただ冷静に言うこいつを見て手に力が入る




赤司相手に怒ったってムダ。そんなのはもう分かりきってる


冷静になろう




『ﾌｩ……ここは京都で、私のいた所から考えると今の時間帯は夕方。
私を呼んだ理由は……今からでも洛山に来い……ってとこ？』



赤司「ふっ……正解だ。
この前メールを送ったのに、来なかっただろう？
だから無理にでも連れてきてもらったよ」





『その自分の事しか考えてないとこが嫌なんだよ……!
私は誠凛高校のマネージャーだ。洛山には行かないし、行こうなんて思うことは無い。

今はインターハイ予選の途中なんだよ。帰らせて』






赤司「それはできない。
少なくともインターハイが終わるまではここにいてもらうよ」




こんの……ｯ自己中が……!!





赤司「僕の命令は絶対だ」




『ﾁｯ……もういーや。何言ったってどうせ聞き入れてくんないんでしょ』




当然だ、と頷くこいつを殴ってもいいですかね。




赤司「ずっと引きこもってるわけにもいかないだろうから、洛山の制服を渡しておく。
何をしたっていいが放課後、洛山の体育館に来い。これは絶対だ」




『はいはい。わかったよ』





適当に言うと少し微笑んで頭を撫でてきた




赤司「これから少しの間“俺”と一緒にいてくれ」




『!!!』


微笑んだのは一瞬のことで、もう一度見た時には元の冷たい表情に戻っていた




赤司「今は無理でも必ず僕と同じ高校に通わせる。
では、失礼するよ」









今いるこの部屋を使えってことだよね




『とりあえずリコ先輩達と“まこ兄”に連絡しとかないと』





心配してるよね……ほんと誠凛の皆、ごめん……





『よし、送信完了っと。』







それにしてもさっき……一瞬だけ、ほんの一瞬だけ昔の征に戻ってた






『どうしたら昔の、優しい征は戻ってくるの…??』





あの時は楽しかったのに。



……今を嘆いたってもう戻れないんだから。

ﾊｧ……これからしばらくは猫かぶって暮らすか

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