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23話 ページ26

「ほんとごめんね!そしてありがとう!!
お礼はいつか絶対するから!!」


「いいって。それより時間やばいんでしょ?
早く行きな!」



モトキくんに促されて私は彼の家を出る。

スマホにはおびただしいほどのマネージャーからの電話。



「え、Aちゃん!?」


モトキくんの家のマンションの階段を降りている途中でシルクくんに遭遇した。


彼はとても驚いた顔をしていたが、今の私はそれどころじゃない。


「あ、シルクくんおはよ!ごめんね、私急いでるから!」


「えぇ!?なんでAちゃんがモトキの家から……?」


軽く挨拶をして勢いよく階段を駆け下りる。
彼が何かを言っていたような気もするが、私の耳には届かなかった。







「遅れてすみません!」


息を切らしながら私は打ち合わせの会場へと入る。

予定の15分ほど遅れてしまったが、そこからは問題なくツアーの打ち合わせが始まった。


演出家の方やグッズ製作のためのイラストレーターの方などと綿密に打ち合わせをし、ツアーに向けての最終決定をする。


今回のツアーは名古屋、大阪、福岡、仙台、そして東京の順番で開催される。


最終日の東京公演には、今までお世話になった様々な方たちを招くつもりだ。

それにはもちろん、つっきーだって含まれる。





打ち合わせの最中も頭にちらつくのはつっきーのことだった。




私には興味なかったんだなぁ、とか

初めから可能性なんてないのに、ワンチャンスを狙ってたいたのがバカみたいだなぁ、とか

やっぱ諦めるしかないのかぁ、とか。




薄々、わかってはいたんだ。

彼が自分に振り向くことなんてないって。

それでも、つっきーに興味を持ってもらうことすらない惨めな自分を認めるのが怖くて。



でも今は、自分のことを認めてくれる人がいる。

そんな友だちがいれば、それでいいんじゃないかって思えてきた。


完全に諦めるのには時間がかかるかもしれない。

諦める努力をして、
いつか、つっきーの幸せを心の底から願えるようになるといいな。

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設定タグ:Fischer's , モトキ , フィッシャーズ   
作品ジャンル:恋愛
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もきたん - 星の数が足りない〜ポチポチポチポチ (2020年9月13日 10時) (レス) id: 0ceb3868db (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - LINEのところの吹き出しってどうやりますか?私も登校しているのですが、やり方が分からなくて…教えてください!この作品大好きです! (2019年10月25日 20時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 一気読みてしまいました…笑素晴らしいお話でした!!!天月くん視点の話も見てみたいです! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 4a658d8cff (このIDを非表示/違反報告)
ここぐみ - 付き合ってからの二人が気になる! (2019年9月6日 19時) (レス) id: 08670c7dca (このIDを非表示/違反報告)
せいら/うおたみん(プロフ) - 付き合ってからの2人、気になります!お時間があれば、ぜひ作ってください(´∀`)次回作も楽しみにしてます(*^^*) (2019年9月3日 21時) (レス) id: 2c14e8117c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月13日 2時

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