第一章〜平等〜 ページ3
「あははっ!
いい気味だね!」
放課後、トイレに入った瞬間
前から水をいきなりかけられた。
水をかけた子達は
全身びしょ濡れになったまゆを
笑いながら見下している。
濡れた少女は黙ってると
笑っている少女の隣にいた
子がニヤニヤしながら
「ずっと前からアンタのこと
好きじゃなかったんだよね〜
いい顔してれば好かれるってか?
気楽でいいよね〜」
と嫌味のように言った。
何度も顔がいいからという理由で
くだらないことをする人達が嫌いだ。
理由が簡単すぎる、ただの嫉妬だ。
好きでこの顔で生まれたわけじゃない、
みんなに好かれたいわけじゃないのに。
こんなのを教師に言っても
解決方法は無い、くだらない。
「あぁ、せっかく掃除したのに
また濡れちゃったね〜
あと片付けよろしく〜
ぶりっ子ちゃん。」
笑いながら水をかけた子達は
帰って行った。
まゆは1人でそこへ座りこんだ。
まゆ「...なんで私ばっか?
他にもいるのに。」
思えば疑問ばかり浮かんでくる。
つい最近は何も無かったのに。
ただ学校へ行って
友達と話して授業を受けるだけの
平凡な日々を過ごしていたのに。
何故急にこんな扱いを受けているのだろう。
少女は濡れた生徒手帳を拾って
立ち上がった。
ぽたぽたと服から滴る水を
搾り、トイレから出た。
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作者名:雷鳴 | 作成日時:2018年8月10日 10時