先輩は片足手纏い【男主】

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『ねぇ夜蛾っぴ。』
夜蛾｢その呼び方を辞めろ。｣
『えー…んじゃ夜蛾っち。』

ドスッと頭にチョップが降ってくる。
痛い、つむじ禿げそう。
その様子に灰原は苦笑い。

『ホントに行かなきゃダメ？行きたくないんだけど。』
夜蛾｢呼ばれてるんだ、行かなきゃダメだ。｣
『チッ、何されるか分かって言ってるじゃん！』
灰原｢まぁまぁ…。｣

落ち着いてと言わんばかりに俺を引き止める灰原。
何でよりによって上層部と話さなきゃいけねーんだ！
何が悲しくて上層部のくそじじ共と話さなきゃいけねーんだい！

『灰原は何で居んの？』
夜蛾｢お前の護衛だ。｣
灰原｢誠心誠意！先輩を守らせて頂きます！｣
『俺が護衛側だろ普通。』

夜蛾センは護衛を付けるような人じゃない、生徒思いとはいえ後輩を護衛に付ける程馬鹿なヤツじゃない。

となると、上からの命令か…。

『夜蛾センも丸くなったね〜。』
夜蛾｢……。｣
『え、無視？無視なの？名字についてる蛾は無視の蛾だったの？』

またチョップが降ってくる。
流石に痛かったので手で受け止めた。

灰原｢先輩…。｣
『そんな目で俺を見るんじゃねぇ！』
灰原｢学習しないなって…。｣
『殴るぞマジで。』

夜蛾は顔には出さないが、心配しているようだった。
俺が最悪上層部に殺されないか、灰原に何かないかとかその辺を考えてるんだろうね。

『大丈夫、灰原は俺が守ってみせる。』

夜蛾センの隣を通り過ぎる時、そう言うと夜蛾センは頭を抱えて

夜蛾｢…上層部の心配なんだがな、｣


と呟いた。

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