体調が不良気味のようです【QK】-10-

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ガチャッ


山本｢え……？｣


須貝｢は……！？｣


河村さん……？


河村｢うぅ……｣


え、これ……


山本｢泣いてる……？｣


河村｢違う、泣いてないもぉん……！｣


そんな言葉と共に、表面張力で何とか溢れずに済んでいた涙はポロポロと落ちていった。


須貝｢河村、どうしたんだ……？｣


山本｢これ、もしかして幼児退行じゃないですか？｣


須貝｢あ、それ聞いたことあるわ！｣


これは、大変な予感がするな。


須貝｢たっくん、冷えピタ貼ろっか！｣


ん、たっくん……！？


河村｢やだぁ！貼りたくない〜！｣


河村さんがわがままを言うなんて、あんまりイメージないな。


こんな感じなんだ。


てか、たっくんで良いんだ……！


僕がしれっと河村さんの手を持って、邪魔が出来ないようにする。


その間に須貝さんがサッと河村さんのおでこに冷えピタを貼った。


河村｢冷たいぃ……！｣


そう言いながら咄嗟におでこに向かいそうな手を、グッと持つ。


山本｢冷たいね〜、ごめんね〜｣


そう言いながら頭を撫でると、少し泣き声が落ち着いた。


でも、事ある毎に河村さんは泣いてしまって


僕たちは考えあぐねていた。


昼食にお粥を持ってきた時でさえも大泣きされて


河村｢お腹空いてないもぉん！いらない〜！｣


お腹が空いてないからって泣くのか……。


でも、食べてもらわないと治らないしな。


山本｢美味しいから、食べてみよ？｣


河村｢やだぁ……！｣


須貝さんはお粥の入った器を持つと、スプーンで掬ってフーフーと冷まし


須貝｢たっくん、はい、あーん｣


河村さんの口元まで持っていった。


食べたくないって泣いているのに、強行突破ですか！？


河村｢……あーん｣


須貝｢美味しいね〜｣


河村｢うん……｣


え、食べた！？


須貝｢俺が食べさせてあげるから、食べられるだけ食べな？いらなくなったらいらないって言ってね？｣


須貝さんが食べさせてあげると、元々器の中には少量しか入っていなかったとはいえ、全部食べてくれた。


須貝｢多分、甘えたかっただけだよ｣


山本｢だから最終的に全部食べてくれたんですね｣


須貝｢普段、人に甘えるってことが出来ないからその反動もあるんじゃない？｣


食べさせてほしいなんて……可愛いな。



お粥を食べさせてもらえて、少し機嫌が戻っていたのに


薬がチラついた瞬間に大泣き。


泣くのにも体力がいるはずなのに、幼児退行するとそんなに泣けるものなのか……。

3→←幼児退行 / kwmr -linns＊さんリク-

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