体調が不良気味のようです【QK】-10-

怪我 / izw -まなさんリク- ページ13

福良｢次、伊沢〜｣


伊沢｢あ、山本終わりました？｣


福良｢終わったよ｣


伊沢｢了解です｣


みんなで料理企画の撮影中。


俺と福良さんと山本とこうちゃんで、カメラマンもローテーションしながらの撮影。


福良さん、山本が終わって、次は俺。


シミュレーションめっちゃしたし、大丈夫でしょ。


久々の料理企画で、怪我しないかだけちょっと心配だけど。


包丁を持つのが久しぶりすぎる。


でも、特に何か起こることもなく


包丁の出番は終了。


山本｢めっちゃ慎重でしたね！｣


カメラマンをやってくれている山本と喋りながら作業を続ける。


野菜をおろし金ですりおろす。


伊沢｢包丁使うの久しぶりだったからね！でも、もう大じょ……｣


大丈夫という言葉を言わせてはもらえなかった。


伊沢｢いたっ！！！｣


山本｢伊沢さん！？｣


カメラに顔を向けて余所見をしていたからか、指に痛みが走った。


急いで確認すると、どんどん血が出てくる。


しかも、異常なほどに痛い。


福良｢伊沢……ってその指、何！？｣


山本が呼んだのか、急いでキッチンに来た福良さんは、俺の指を見て驚いている。


福良｢めっちゃ血！出てんじゃん！何で止まってんの！｣


痛すぎて頭が回らない。


そんな俺の指を福良さんは掴んで、ティッシュで抑えた。


福良｢こんなんじゃ全然止まんないかも。ガーゼとかなかったっけ？｣


一瞬で真っ赤に染まったティッシュを指から離しながら、山本に訊いていた。


山本｢ちょっと待って下さいね！今、見てきますから！｣



そう言って出ていった忙しない足音が、戻ってくるのにそう時間はかからなかった。


山本｢救急箱持ってきました！ガーゼも中に入っていると思います！｣


福良｢ありがとう｣


中からガーゼを取り出した福良さんは、俺の指に力強く巻きつけた。


グッと握られ、激痛が走る。


伊沢｢痛い痛い！｣


激しい痛みに、生理的な涙が溢れてきた。



ガーゼを巻きつけて10分。


チラッと中を覗くと、血が止まっているように見えた。


そのまま真っ赤なガーゼを外すと、赤黒い線が2本。


傷は思いの外深かったらしく、直視するのが嫌なくらいに痛々しかった。

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