体調が不良気味のようです【QK】-8-

記憶喪失 / kwmr -鈴蘭さんリク- ページ20

これじゃ……これじゃダメだ……。


もっと良い記事を書かないと！


もっと動画で活躍しないと！


こんなんじゃダメなんだ……。


俺がこうなったきっかけは今から1週間前のある日。


たまたまネット上で見つけた俺へのアンチコメント。


"河村まじでウザイ"


"動画でずっと意味わからんこと言ってるし"


"河村ってQuizKnockに要らなくね？"


いつもならこんなの気にしないのに。


最近色々と上手くいかなくて、そのせいか、頭から離れなくなった。


でも、俺がもっと良い記事を作って、動画で活躍すればいいだけの話。


俺の頑張りが足りないからこうやって言われるんだよな。


もっと、もっと良い記事を……！


その日から俺は、仕事に支配されていった。


いつも頭の中は、記事や動画のことばかり。


アンチコメントがあるのは俺の所為。


どれだけ記事を作っても、納得のいくものが作れなくて。


余計に焦る。


こんなんじゃダメだ。


これじゃ、また言われてしまう。


俺のそんな思いが漏れてしまっていたのか


伊沢｢河村さん｣


伊沢が俺に声をかけてきた。


河村｢何？｣


伊沢｢河村さんは……何で焦ってるんですか？｣


伊沢の言葉に、俺の心臓は明らかに鼓動を速くした。


河村｢焦ってるって……何に焦る必要があるの？｣


伊沢｢それは俺が聞いてるんです｣


あれ？普段、こういうのをかわすのは得意なはずなのに。


伊沢の真剣な表情に、逃げる方法を忘れる。


俺は観念して、アンチコメントのことや、記事のことなどを全て話した。


隠しても、きっと伊沢にはバレちゃうから。


伊沢｢河村さん。河村さんが頑張っていることを周りは見ています。アンチコメントなんか気にしないで……なんてことは難しいかもしれませんけど、自分のペースで良いんです。焦る必要はないですよ｣


河村｢ありがとう｣



伊沢と話してから数日経っても、俺は変わらなかった。


何なら焦りに拍車がかかって、オフィスでも家でも頭の中はそればかり。


俺は今日も納得がいかないまま、眠りについた。



今日もいつも通りに支度をして、オフィスに向かう。


いつも通りに挨拶を交わし、いつも通りにデスクに向かう。


河村｢ん？｣


コンピュータをつけると、デスクトップに作った覚えのない記事が沢山あった。


しかも、ボツの記事をまとめているところに。


中身を開いてみると、どれも出して大丈夫なレベル。

何で……？

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