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ページ17

「へっ……」

「へ、じゃねーよ。お前は今日の夜、俺に抱かれるんだ。忘れた訳じゃねーだろ?」


口の片端を持ち上げてまた顔を近付けてくる彼に、再び心臓がばくばくと音を立ててオーバーワークの働きを始める。

か、覚悟、って……


「安心しろ。優しくしてやるし、気持ち良くしてやる」

「きっ……!は、恥ずかしいこと言わないでくださいっ!!」

「何を今更」

「ちょ、やだ、ンっ」


もう数えることも諦めがつく、何度目かのキスをされて、私は不慣れな目の瞑り方をして彼にされるがままになった。

唇の重ねる角度を変えられた辺りで、私は「うらたさま」と必死に彼の肩を押した。離れたうらた様は、やっぱり不服そうな顔をしていた。


「……なんだ」

「なんだ、じゃないです……!朝からどんだけキスするんですかっ!」

「お前が煽ってくるのが悪い」

「あ、煽ってなんか!」


理不尽な彼の言い分に言い返そうとしたところで、こんこん、と扉を強めに叩く音がした。


「うらた様、支度の方整いました。巳の刻ごろに出発となります。御朝食の方、お早めにお済ましなされますよう」


それは低く落ち着いた男性の声だった。

……此処って男の人も入れるんだ。侍女の人たちが言うには此処は『後宮』という、男子禁制の、日本で言うところの大奥みたいな所だとかで、皇帝様の側室の女の人がいっぱいいらっしゃるんだとか。

でもうらた様はまだ正妻___いわゆる正室___を持っていないだとかで、側室にも殆ど行かれないそう。堅実で、女子(おなご)に興味がなく、浮ついたことも聞かないということまで聞いたのだが、だからこそ女性にはとんでもない数のアプローチを日々受けているのだとか……

正直、私がここに来てからの態度を考えるととてもお堅いようには思えないんですが。

そろりと彼の腕の中でその整った顔を見上げると、彼は扉に向かって「分かった。下がれ」とよく通る声で叫んだ。そして私の視線に気付いたのかそのまま私を見下ろし、少しだけ苦く笑う。


「……邪魔ばかり入るな。やはり夜までお前を抱けんらしい」

「うっ……」

「A、少し頭を下げてくれ」


『抱く』という直接的な言葉に潰されたカエルのような声を出してしまった私に、うらた様がそう言った。何をされるんだろうと思ったら上から何か通されて、そのまま首に何かが提げられた。

見てみると、美しい装飾を施された翡翠の首飾りだった。

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みかげ - …ま、マジかよ!?って感じで読ませてもらいました!2章がとても楽しみです! (4月5日 11時) (レス) id: 6950eae76b (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 一章の終わりが予想外の展開すぎてワクワクが止まらないですッ!!二章も楽しみにしています! (4月4日 12時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - どうしようもなく尊い..( ノД`)… (4月4日 1時) (レス) id: 09e45a24f5 (このIDを非表示/違反報告)
星崎ゆぅり(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品を初めて見たのですがとても好きなお話です!占ツクで初めて見た作品が子さんので本当によかったです!これからもずっと応援しています! (4月3日 8時) (レス) id: b428de52b1 (このIDを非表示/違反報告)
子@友達申請受け付けてません(プロフ) - せらももさん» せらももさんありがとうございます.......!!勿体ないお言葉です。私もせらももさんの書かれるお話待ってますね。こちらにわざわざコメントありがとうございます。 (4月2日 23時) (レス) id: fa9aff1995 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/  
作成日時:2019年3月4日 15時

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